こんばんは、年間300日スーツで過ごす女バリキャリ乙女のイシイド マキです。
唐突ですが、久しぶりに脳内会議が暴走しましたのでその模様の議事録でございます。
少々お付き合いくださいましたら幸いです。
アレクサのCMが気持ち悪い?
つい先日、きゃりーぱみゅぱみゅさんが『AmazonアレクサのCMについて言及したら共感コメントが相次いだ』というニュースを見ました。
CMの男性がマザコンだとか電話のガチャ切りが失礼だとか諸々のツッコミで溢れたそうです。
イシイドも否定はしていないものの
アレクサのCMを見ると、メシは炊けているかと心配になる。
— イシイド マキ (@comotenasi) 2019年8月23日
こんなツイートをしてました。
ま、何かと気になるCMなのですね。
さて、このニュースについたコメントをついつい貪り読んでしまったワタクシは、ふと思ってしまったのです。
こりゃ、単なるやっかみなんじゃないかって。
確かに皆さまがご指摘の通りCMを見終わった後に残るモヤモヤ感。
男性や母親の発言や行動(もちろん『役』なんだけども)へのツッコミは非常に納得できる。
だけどそれ以前に、あの妙にオシャレなキッチン、息子の年齢のわりに若くてシャレオツな母親、エセ料理男子の手料理を食べに訪ねて来てくれる彼女の存在。
肝心のAmazonアレクサがある生活よりも、そんなセレブリティライフが羨ましくなってしまったのではないだろうか。
一部の上層階級の優雅な日常を見せつけられても、ねぇ。
でもそこんとこの気持ちに蓋をしてアラを探した結果があの批判の数々なんじゃないかと思うのね。
あのCMを例えばラーメン大好き小池さんの四畳半みたいなアパートで撮影してたら印象違わなくない?
営業のテクニック『時、なので法』
イシイドは長年営業をしていたのだけど、営業トークに『時、なので法』というのがあります。
呼び方は様々あるのかもしれませんが、実演販売の方がよくやる手法です。
例えば小型のパソコンを売り込む時、
「このパソコンはこのクラスの中で一番軽くて持ち運びがしやすいんです」
というのと
「このパソコンは軽くて持ち運びがしやすいので、例えば、カフェなんかに立ち寄った時にふと思い立ってブログなんか書いちゃったりすることもできちゃうんです。そういうのっていいですよね!」
と言うのとではいかがでしょうか?
どっちも変わらん?
いやそんなことないハズ…
そのお客様がその商品を使う具体的な『シーン』を、その商品と過ごす未来を夢見させて差し上げる。
これは私が営業時代、かなり意識していた手法です。
ちなみに婚活でも有効です。
いかに「私と一緒になるとこんなに楽しいよっ」と夢を見させるのが大事!
金持ちアピールや学歴アピールはNGですが自虐とか謙遜も要らんのですよ。
さて、話はアレクサに戻ります。
あのCMを見て、具体的に自分が使うシーンを想像できたでしょうか?
私はできませんでした。
アレクサを実際に使うターゲットは誰でしょうか?
多分、あのCMでは新しいものが好きでオシャレなものが好きでITも得意な若い男性を対象にしているのでしょう。
だけどその年代の男性の在宅率ってそんなに高くないような気がします。
イシイドの妄想CM
朝の光の差し込むリビングで赤ん坊が泣いている。
おもちゃの散らかったその側で園児服の男の子が黙々と遊んでいる。
若い母親がオムツを替えながらアレクサで通話していた。
電話の夫『ごめんね、出張長引いちゃって』
妻「ううん、あなたもがんばってね」
夫『ワタル、明日帰ったら動物園行こうな』
ワタル「うん!」
夫『じゃぁ、行ってきます』
通話が切れる。
オムツ替えが終わっても泣き止まない赤ん坊に困り顔の母親。
ワタル「マーマ、動物園、キリンさんいる?」
妻「いるよー」
必死にあやす母親。
ワタル「ぞうさんは?」
妻「いるいる」
あやしてもあやしても更に激しく泣き出す赤ん坊。
ワタル「ねぇねぇ、明日、晴れかなぁ?」
イライラした様子で大きなため息をつく母親。
妻「アレクサ、明日の天気は?」
アレクサ『明日ノ天気ハ晴レデ、オ出掛け日和ニナルデショウ』
ワタル「やったー、晴れだー!!」
大喜びのワタルにつられるように笑いだす赤ん坊。
妻「………ありがとう、アレクサ」
ベタですが。
どっかで見たことあるような気もするけどまぁいいや。
こんな感じの方が伝わるような気がします。
実際にアレクサをはじめとするバーチャルアシスタントが必要な人って、子育てや介護、ワンオペだと大変な方々なんじゃないないでしょうか?
つまりターゲットに合っていない。
何でああいうCMになったかというと。
AIとかITとか、そういった新しいものにアレルギーのない世代、若者にターゲットを絞る。
ボイスコントロールで電話をしてもらうために両手を塞がなきゃいけない。
あ、彼女のために料理でもさせるか。
料理男子、流行ってるし。
そうすると電話の相手は…母親か。
ま、最近は友だち親子みたいなのが流行ってるし、イマドキの家族像みたいでいいんじゃね?
最新の技術、今時の関係。
いいじゃん、いいじゃん!
あくまでもイシイドの想像ですが。
そんな風に思えてしまう。
いや、想像なんだけどね、あくまでも。
実際に欲しがっている人たちと、売る側が売りたい相手の不一致。
そこがマッチしていないのに、オシャレでしょ?カッコいいでしょ?とズレた価値観を押し付けられるから不評になるのだ。
ネットに「あのCMがニガテ」と書き込む人々は分かっている。
アレクサを買っても、あのモデルルームのような自宅や良好な母子関係、『母親の味』を食べさせられても文句を言わないパートナーは得られない。
私たちは『アレクサのある生活』よりも『セレブリティな生活』の方がよっぽど欲しい。
だからやっかむのだ。
実際には、開発の方々は血の滲むような努力で製品を作っているのだろうし、CMだってプロが本気のマーケティングを重ねて作ったものだと分かっちゃいるけど、失礼を承知で申し上げる。
バーチャルアシスタントはまだまだこれからの技術なんだと思う。
スマートフォンでITに対して目が肥えている世代には機能として物足りない。
いずれはとんでもない技術に化けるのだろうけど、今はまだ。
興味のある若者はテレビCMよりもネットで調べて勝手に買ってくれる。
炎上商法を期待してるというなら、あのCMをネットのみの公開にしてネット界隈で炎上した方が効果的だ。
私だって、実際に作動しているところを見れば「おおー」と言うが「コレコレ、コレを待ってのよ~」とは言えない。
だから肝心の商品とは別のところで、どうにもこうにも我々のコンプレックスを刺激しちゃうんだなぁ。
好感度は上がった?
最後に。
あのCMのツッコミ所を最大限都合よく解釈して、好感度を爆上げする設定を全力で考えてみました。
あのモデルルームのような部屋、実は彼の実家なのです。
両親は海外赴任中で広い家に一人暮らし。
普段は自炊などせず、コンビニの料理でまかなっているのでキッチンもキレイ。
そして彼の彼女は父子家庭で育ちで母親の味を知りません。
両親の一時帰国に合わせて母親の肉じゃがを食べさせてあげる、という約束をしたのですが仕事のトラブルで帰れなくなってしまいました。
「母さんの味にならないや」
仕方なく彼は国際電話で母親から肉じゃがの作り方を尋ねます。
母親は海外生活の長さからつい『カリールゥ』とか言っちゃう。
素直で順応性の高い女性です。
「で、今度はどんな子なの?」
実は彼には高校生の時、初めてできた彼女を両親の旅行中に自宅に連れ込んんでバレた前科がありました。
しかもこの後、彼女にはプロポーズするつもりでいたので、若気の至りのバツの悪さと照れ隠しでつい言ってしまった。
「アレクサ、通話を切って」
………うーん、変わらんか。
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