こんばんは、年間300日スーツで過ごす女(育休中)、バリキャリ乙女のイシイド マキです。
コンビニ、便利ですよね。
イシイドは三度の飯がコンビニでもむしろ嬉しいくらいコンビニが大好き。
私のイメージですとセブンイレブンは鉄板のイタリアン、ローソンはオシャレなカフェ、ファミリーマートは馴染みの定食屋、ミニストップはワクワクの駄菓子屋またはお祭りの屋台。
いや、ほめてんのよ、一応。
仕事帰りにどこのコンビニに寄ろうかな、なんて実は密かな楽しみだったりしたのだけど、今はさすがにあっちこっちという訳にはいかなくなりました。
自宅から徒歩10分ほどの所に某コンビニエンスストアがありまして、ほぼ9割、そこに行っています。
先日、子どもを抱っこひもで抱っこしつつお散歩がてらの買い出しに行った時のこと。
コンビニの珍客?
入り口から雑誌コーナー、ドリンクの冷蔵庫を通過して(買わないけどなぜかそのルート)冷凍食品の棚を覗く。
それからお弁当のコーナーを見てからデザート、お菓子というのが私のコンビニルーティンなのだけど、ちょうど冷凍食品を見終わったところで一人の男性が慌てた様子で駆け込んできた。
ノーネクタイのスーツ姿で、髪はくせ毛らしいがこじゃれたメガネ。
歳は30代前半といったところだろうか。
結構な長身のその男性が店に入ってきた瞬間、何か違和感を感じてつい目がいってしまった。
違和感の正体はすぐに分かった。
男性は女の子を抱えていたのだ。
1歳にはまだなっていなさそうだが、うちの子よりは大きいくらいの女の子を、背中からまるでバスケットボールを抱えるように両手で抱っこしていたのだ。
いや、抱っこの姿勢自体はおかしくはない。
赤ちゃんというのは背中を丸めた姿勢がお腹の中にいたときと同じで落ち着くものらしい。
うちでも私がお風呂に入っている間にギャン泣きされると、若さま(夫です)はよくそのポーズでゆらゆらしてたりする。
だからそのポーズ自体はおかしくないのだけど、コンビニに絶対に置くことができない赤ちゃんをその姿勢で連れてきたことに違和感を感じたのだ。
彼はお弁当のコーナーを忙しく、何やらぶつぶつ言いながら物色すると今度は勢いよくこちらに向かってきた。
ぶつかりこそしなかったが私と鉢合わせするような形になった彼は
「わっ、もっとちっこいのがいた!かわいい!!」
と人懐こそうな笑顔で言った。
一応、お褒めいただいたので、こちらもにっこり微笑んで道を譲ると、私の真後ろにいた女性に声をかけた。
どうやら先に来ていた彼の妻のようだった。
私はそのままルーティンをこなした後、レジの列に並ぶと、一組挟んだ前にあの夫婦が並んでいた。
順番がくると女性は少しイライラした様子で男性に何か言い、そして男性はそそくさとお店を出ていった。
その様子を見ていてピンときてしまった。
二人の間にきっとこんなやり取りがあったのではなかろうか。
車中にて
外出先は妻の実家であろうか。
家路への運転をしながら夫は言った。
「少し早いけど、昼飯、その辺で食ってこうか」
「え、ムリだよ。ハナちゃん(仮)いるもん。
外食なんてムリだって」
「ファミレスなら早いだろ」
「ムリだって。
離乳食だって用意してないし、私らだけ食べて我慢させるの?
その辺のコンビニに寄ってよ」
「えー」
「私、ダッシュで買ってくるから。
何がいい?」
「ええー。
………天津飯?」
「そういう売ってるかどうかもわかんないものはやめてよ」
コンビニに到着。
「だって何があるかなんてわかんないじゃん。
俺も行くわ」
「ハナちゃんはどうするのよ」
「こんな小さい子連れてけないだろ。
ちゃっと行ってくりゃ大丈夫でしょ。
真夏じゃないんだし」
「はあぁぁ!?
絶対ダメ!!
来るんだったら絶対連れてきてよ!!!」
ガラガラガラガラ、バン!
荒々しくスライドドアが閉められる。
「うええあえええええんんんんっっ」
「!?ハナちゃん、ちょ、うわ、待ってよ」
コンビニがコンビニエンスでなくなる時
さて。
子どもが生まれてから『ちょっとコンビニに寄る』ということが大変な重労働になりました。
今までは外出したついでにコンビニに寄るってなんでもないことだったんですけどね。
車降りる→買う→車乗る
これだけ。
でも今は
車降りる→上着脱ぐ→抱っこひも装着→子どもチャイルドシートから降ろす→子ども抱っこひもに乗せる→上着着る→リュック背負う→買う→リュック下ろす→上着脱ぐ→子ども抱っこひもから降ろす→子どもチャイルドシートに乗せる→車乗る
ですからね。
スーパーでしっかり買い物ならいいんですよ。
でもコンビニでコーヒー一杯のためだけにこれだけの工程ってかなりシンドイ。
そして実は一度だけ子どもをチャイルドシートに残したままコンビニに入ったことがあります。
眠っていたので起こすのが忍びなくてね。
だけど店に入って1分で後悔した。
熱中症の心配はない時期だけど、そういう問題じゃないのね。
私が店の中にいる間に拐われたらどうしよう。
いや、海外じゃないし。
いや、日本だってわかるもんか。
車上荒らしにあって危害を加えられたら?
別の車が突っ込んできたら?
無人だと思ってそのまま逃げられたら?
それで子どもに何かあったら?
ひとつ不安になると、もう気が気じゃないんですね。
戻るまで心臓はバクバク。
冷や汗、手の震え。
もう二度としないと誓いました。
ちび若、本当にごめんね。
そんな訳で、赤子を連れたコンビニは物理的、精神的にとんでもなくヘビーなのだ。
たぶんですね、このコンビニで出会った男性、めちゃくちゃ人も良くて子どもの面倒もみてる良きパパなんだと思うの。
見ず知らずのうちの子に思わず「かわいい!」って言っちゃうくらいだし。
(まぁ、うちの子はガチでかわいいんですけどね)
そして妻である女性も性格が悪いとかそういうことを言いたいのではない。
コンビニがコンビニエンスのままの彼とコンビニがコンビニエンスでなくなった彼女とのすれ違いなのだ。
今回、彼は身をもってコンビニがコンビニエンスでなくなったことを知ったであろう。
そして赤ちゃんが子どもになったらまた別の大変さが出てくるのだろうけど。
この子たちが大きくなってコンビニがコンビニエンスに戻るその時まで、お互い頑張ろうぜ!とハナちゃんを車に乗せて大きく伸びをしている彼に心の中でエールを送った。