バリキャリ乙女のイド端会議室

主に婚活、時々しごと。華麗なるバリキャリの脳内会議の一部始終。

別れの流儀

キィ…


あら、いらっしゃ…
なぁに?辛気くさい顔しちゃって。
あ、例のカレシのことね。
もぅ、忘れた方がいいって…まぁ、とりあえず飲みましょ。
もぅ、ほら泣かないで。

 


ようこそ、barイシイドへ。
こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。
近所にこんなお節介なbar(スナックか?)があったらいいのにな。


前回、別れの理由は聞かない方がいいよーというお話をしました。
では、あなたはどんな風に別れを切り出しますか?

 


告白は晒したい


ところで。
最近の高校生の告白はLINEでするものなんだそうです。
しかもLINE通話。
なぜなら、告白を文章で送るとスクショの上拡散されるリスクが高いから。


しょ、証拠隠滅ですか。


丁寧にひと文字ひと文字綴られたお手紙やメール。
私だけに宛てられたものだから誰かに見せるなんてとんでもない。
私だけの秘密の宝物…


でもLINEだとなんででしょう。


ヤバーい (カシャ)
みんな見て見て!
告られた(σ≧▽≦)σ


モテ自慢なのかラブラブ自慢なのか、やだコイツキモーいなのかよくわかりませんが、途端にライトでポップな印象。
ひとネタゲッチュー。
晒してナンボ。


そりゃ、男子も慎重にもなりますよ。


我々の時代では証拠隠滅なんてするのはボスくらいなもんです。


『尚、このテープは自動的に消滅する。では諸君、健闘を祈る』


ちゅどーん


ってね。
普通の男子高校生が秘密組織のボスと同じくらいの危機管理能力をもっちゃってる時代に突入いたしました。


とはいえ、まだまだ『顔をあわせて告白するのが誠意』という風潮も根強いものです。
『顔をあわせて告白』が誠意なら『顔をあわせて別れる』も誠意なんでしょうか?

 


『顔を合わせる』だけが誠意じゃない


確かに、今日まで普通に笑って会話をしてたのに、何の前触れもなく


突然の電話やメールの着信拒否。
突然のLINEブロック。


そんな一方的な無言の『さよなら』は誠意がないと言われたって仕方がないですよね。
でも、やってる方はそんなの百も承知でしょうし。
『顔を合わせず』に『さよなら』したら即誠意なし、ということでもないと思うのです。


例えば。


もう私たちが終わってることはわかってる。
だけど、二人で過ごした日々の思い出が心地のよい霧みたいに絡みつくのだ。
会えば。
まだやり直せるかもと錯覚してしまう。
だけどもう、終わりにしよう。
『さようなら』の五文字に込めたアイラブユー。
もう会わない。
それが二人のためになるのだから。
そしてそっと送信ボタンに触れるのだった。


とかさ。
もちろん遠距離とか会うのが困難なケースもあると思うよ。
『別れ』に至るまでにちゃんと誠意を持ってぶつかることができたなら、最後の言葉はただ背中を押すためだけにある。
メールでも、電話でもいいじゃないか、と思います。


会いたい理由


それでも『さよなら』は直接会って言わなきゃ気がすまない派のアナタ。
『誠意』ってもっともらしい言い訳だけど、それホント?


もはや映画や遊園地、楽しいことでは会ってくれなくなったお相手に会える唯一の手段、別れ話。


どんなに惨めで、これが最後になるのだとしてもせめてひと目あなたに会いたい


というのならまだしも。


いやコレ、ゼッタイ他にオンナがいるでしょ。
洗いざらい吐かせてとっちめてやる!


という思いなら尚更会わない方がいいと思うのです。


アナタ、ご自分のオニヅラを鏡で見たことありますか?


ブッサイクやでー。


もちろん、大好きな彼の気持ちが他所に行ってしまったら悲しいし、浮気をされたら憎くも思う。
謝ってほしい。
その気持ちはよく分かるし仕方がない。
けど。
そんな鬼のような顔で浮気だの二股だのを相手に認めさせようと迫るなんて怖いだけ。
もしも浮気が誤解だったとしたら、鬼のようなあなたを見てまた愛そう、大事にしようと思うだろうか。


嫉妬と怒りに燃える般若顔。
それが愛しい彼に見せる最後の顔になるなんて、私なら耐えられない。


パートナーの裏切りは、悔しくて辛くて悲しくて、憎くて許せなくてせめてひと泡吹かせてやりたい。
ギャフンと言え!
思いつく限りの罵詈雑言で罵ってやる。


と、思うなら会ってお別れするのはやめましょう。


彼にとっての素晴らしい思い出が、あなたのそのオニヅラに塗り替えられてしまいましてよ。

 

では、イシイドは泣き寝入りせよというのか?

もちろん結婚詐欺みたいに金銭的にも精神的にも傷を負い、おまけに社会的評価まで落とされたというなら話は別だ。

徹底的に戦うべき。

だけどそうでないならお相手の多情で薄情な本性を見抜けなかったことは、高い授業料だと思うしかないのだ。


人は散り際にこそ本性が濃く表れるもの。
去るときは礼を尽くし、また去られる時も礼を欠かさぬこと。
乙女よ常に美しくあれ。
これこそバリキャリ乙女流別れの流儀でございます。