今週のお題「ひな祭り」
こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリイシイドです。
今週のお題は『ひな祭り』ですか。
そうですか。
…………。
『ひな祭り』といえば、やっぱアレですかね。
最強呪いのアイテム『雛 人 形』!
いや、マジで呪いっしょ、アレ。
女の子の健やかな成長を願って…とかなんとかいっちゃってるけど、しまい忘れたら即晩婚って何!?
完全に罰ゲームじゃない。
いまだに罰を受け続けてますけど、どゆこと?
後ろを向けとけばOK?
それどこのローカルルールだい?
てゆーか、絶対あいつら後ろにも目ぇついてますから!
逃れられないよ。くすくす。
雛人形と鯉のぼり
さて。
『雛人形』といえばもれなく『結婚』が付きまとってまいります。
古くは嫁入り道具のひとつであったし、雛人形のモチーフそのものが『お姫様の嫁入り』です。
なぜ『嫁入り』をモチーフにしたのでしょうか。
男の子節句である端午の節句。
端午の節句といえば鯉のぼり。
厳しい世間の荒波、滝を鮮やかに駆け昇る鯉。
男の子の立身出世を願うものらしい。
兜甲冑は身を守るもの。
あらゆる病気、厄災から身を守る盾になるよう、願いをかけて。
一方、女の子のお祭りである桃の節句。
雛人形が象徴するのが幸せな結婚ならば、やはり女の子に対する親の願いは結婚なのか。
端午の節句はその男の子の幸せや無事にフォーカスされているのに対して、桃の節句では女の子本人を見据えているとは言いがたい。
七五三以降、女の子のイベントは少ない。
成人式もあるけれど、もともとは元服や裳着といった成人になったと認める儀式で、女の子に至っては「今日から大人!さぁ、嫁に行こうね」くらいの通過儀礼としてこなさせるものだ。
「まだ若くね?」
「いや、裳着ってるから大丈夫」
そんなノリだ。
家督も出世も関係なければ、あとはライフイベントなんて結婚くらいしかない。
だからお祭りのモチーフとして選択できるものがないのだ。
ひな祭りは女の子の健康と幸せを願うお祭りではあるけれど、その『幸せ』はやっぱり『イコール結婚』という考えが根強くて。
せっかくの華やかで美しい日本の風習を否定する気はないけれど、何か呪いのように我々を縛っている禍々しさもはらんでいると思えてしまうのだ。
それは、当時の貴族の『結婚』はほぼ政略結婚で家と家をつなぐためのものだから。
だからできる限り「華やかね、幸せねっ!いゃあ、お客さん、いい結婚なさいましたね」と
『結婚』=『幸せ』
の構図を赤子の頃から刷り込みに刷り込み、骨の随まで染み込ませなければいけないのです。
それは欺瞞かもしれないが、親の愛でもある、私はそう思いたい。
女の子は生まれ落ちたその瞬間から婚期を心配されるものだ。
女の子の孫が生まれたらどっちの親が雛人形を買うかでもめるのかもしれない。
もめるくらいならばいっそブードゥー人形で買ってやった方が広く願いがかなって喜ばれるんじゃなかろうか。
願わくは、その孫娘本人の幸せを願ってもらいたいものでございます。
バリキャれ!三人官女
さて。
そんなイシイドのうちにもありました。
雛人形。
7段飾りの立派なやつが。
だけど、住宅事情といいますか、勉強机とかね。
子供が大きくなるとなかなか置き場もなくなります。
7段が5段になり、5段が3段になり、そして最後はおひな様とおだいり様だけになった。
私の記憶では、わりと長いことおひな様、おだいり様、三人官女とお菓子の3段体制が結構長く続いたように思う。
たぶん、左大臣右大臣よりも女の子たちの方が華があるという、母の気遣いからのチョイスであろう。
「お内裏さま、モテモテね」
なんて無責任に言ったことがあったけれど、もしも『トイストーリー』のように夜中に彼らが動いていたら、さぞかし修羅場であったことでしょう。
それともおひな様、おだいり様、五人囃子のコンビだったら目眩く乙女ゲーの世界が展開されたかも。
むむ、それも捨てがたい。
さて、この三人官女。
おひな様の生活全般のお世話をいたします。
といっても、身分の高いお姫様の御付きですから、当然ただの召し使いではなく、この人たち自身も貴族の出であることは間違いありません。
あまたの女官のトップスリーですよ。
バリッバリのキャリアウーマンなんですよ。
しかも真ん中の人は既婚者です。
かっっこいい!
実はイシイド、ぶっちゃけおひな様よりもこの三人の方が好きだったのです。
絢爛豪華な十二単よりも、紅のシンプルな袴姿がステキなんて思ってました。
彼女たちが何者であるか理解もしていなかった頃から職業婦人に憧れて、今ココですから、刷り込みだったのか生まれながらの性なのか。
雛人形の呪いは意外と根が深いのかもしれません。
さあ、ひな祭りもあと数時間ですね。
おとうさま、おかあさま、早くお人形をしまってあげてね。
じゃないと、バリキャリになっちゃうよ…
くすすすすすっ