バリキャリ乙女のイド端会議室

主に婚活、時々しごと。華麗なるバリキャリの脳内会議の一部始終。

続・タクシー乗り場の物語

こんばんは、引き続き年間300日スーツで過ごす女、乙女イシイドです。

 

女子会帰りのタクシー乗り場で不倫カップル(妄想)から逃れ、ひと安心のイシイド。
ところが背後には更なる刺客が忍び寄っていた…

 

 

comotenasi.hatenablog.jp

 

 

 

タクシーを待つ間に

 タクシー乗り場に並び始めて30分ほどが過ぎようとしています。
タクシーって待つ時は結構長いですね。
バスや電車は時間が決まっていますから『あとどれくらい』がはっきりしている分それほどイライラが募りません。
終わりの見えない長い列に後ろのバカップル。
私も友人や若さま(彼氏です)に『後ろのカップルがキモい』などとLINEを送ったりしながら過ごしておりました。

 

 

タクシー乗り場のツンデレラ

 カップルが列から離れるとその後ろに並んでいたのは、アラサーくらいでしょうか、少しつり目のきれいなお嬢さんでした。
タレントの小嶋陽菜さんをちょっとキツ目にした感じです。
イシイドの真後ろに来るとおもむろに電話をしはじめました。

 

「あ、ゴメン。寝てた?
うん、タクシー待ってて。
すごい並んでる。


え?いいって。
待ってる方が早いよ。
明日仕事でしょ?」

 

これまた近い。

 

「ふーん。で?

 

この人、こんなにぶっきらぼうでいいんだろうか?
彼氏だよね?

 

「うん、

 

うん、

 

うん、

 

えー、あたしも見たかったにゃー」

 

は?
え?
にゃー?

 

「え、やだ。
いっしょに行こうよ。

 

うん、

 

じゃ、いいよ。
ひとりで行けば?

 


え、やだ。
さみしいじゃん。

 

うん、

 

うん…

 

 

 

………………オマエもか。
なぜ、殿方を前にするとお嬢さま方はこうも鼻にかかった口調に変わってしまうのだろうか。
先のカップルのイチャイチャも、気持ち悪いと感じるのは女性のこのしゃべり方を耳元で聞かされているからだと思う。

そう!

このお嬢さん、あまりにイシイドとの距離が近いので時々体の向きを変えたりして位置を変えるのだけど、ピッタリとその後をついてくるのです。

 

ではバリキャリたるイシイドはこんなしゃべり方をしたことがない、かというとそんなことはない。

 

あるんかい。

 

いや、だけど公衆の面前ではさすがにないですよー。

 

 

他人のピロートークが気持ち悪いワケ

 他人のイチャイチャはなぜ気持ち悪いと感じてしまうのでしょう?
すぐに思い当たるのは『嫉妬』
でも、イシイドはそれぞれのお相手の男性には興味はないし、『そういう状況』が羨ましいと感じるのなら、すぐさま若さまに電話をして「若さま、うふーん」とやればよいわけだけど、それも何かが違う模様。

 

 

誰なら見たい?

 では誰のイチャイチャなら見たいと思うだろうか。
世の中には『のぞき』という特殊な状況を好む人もいるようだけど、あいにくイシイドにはその趣味はございません。

 

強いていうなら有名人か。

ゴシップ的な興味はどうしても出てしまうけど、情報は売らない、拡散しないという前提でお考え下さい。
例えばテレビに出ていたら、ついチャンネルを合わせてしまう芸人さんだったらどうだろうか?


うーん、見たくないかも。


好きな芸人さんはそのネタやコメントをしている姿が好きなのであって、そういう姿は見たくない。

 

好きな俳優、女優さんなら見たい…見ても平気かな?
ビジュアル的に美しいということもあるだろうけど、映画やドラマで似たようなシーンを見たことがあるから…
役者はその筋書きを見せることが仕事です。

どんなに真に迫っていても演技は演技だから安心して見られるのだ。
もしもそれがその役者の本当のラブシーンだったとしても、どこか現実味が薄く見えてくる気がする。

俳優のラブシーンは見てもよいラブシーンだけど一般人のラブシーンは見てはいけないラブシーン。

 

もともと人の睦言というものは他人からしてみれば、みっともなくて滑稽なものだ。
だけど、自分だけは違うと思いたい。
自分に限っては美しく神聖なものだと思い込みたいのだ。
なのに無遠慮に見せつけられる姿は滑稽で、否応なく現実の姿を知らされる。
だから反発を覚えるのではないだろうか。

 

人は見たくないものは見たくない。
そして見たいものを見たいように見たい、わがままな生き物なのだ。

 

当人にしてみれば、恋人を相手におしゃべりや電話をしているつもりかもしれないが、静まり返った夜の街では思いの外筒抜けなのです。
どうぞ睦言は暖かいお部屋の中で。

 

 

そして私は、ツンとデレを聞きながら、50分待ち続けたタクシーに滑り込んだ。