こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。
このところ暗いトーンのお話が続いておりましたけども、徐々に戻していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
さて。
そんなこんなで入籍しましてね。
元々一緒に住んでいたので、私の生活としてはなんも変わらなかったんですが…
届けを出すとあちこちに報告しなきゃいけなくて、またそれに伴い怒涛のアレがやってくるのですよ。
「お祝い」ってヤツがさ!
お返しについての四方山
正直、うちの実家の方はほとんど親戚付き合いもないので大したことはなかったのだけど、若さまの実家がね。
結構遠くの親戚までが絢爛豪華なお祝いをくださいまして。
お返しがラッシュの始まりです。
お返しは『半返し』といわれ、いただいた半分をお返しするのが慣例らしいけれど実際には三割~五割を目安にお返しすれば良いそう。
ぶっちゃけ『ご祝儀』ということで現ナマでいただいた場合はお返し額がハッキリしててすごくラクなんですよね。
問題はブツでいただいた場合よ。
いただき物の値段を調べるなんてはしたないと思っていたけど、調べないことには相場が分からないのです。
幸い今はインターネットとという文明の利器があるので大抵のものはすぐに見つけられる。
ところがさ、新製品だったりレアなオーダー品だったりすると出てこないことがあるんですよね。
商品名を一言一句間違えずに入力したり、発送元のお店から辿ったりと中々苦労するのです。
贈る側の時はお相手に思い入れがあるほど、ついついちょっといいもの変わったものをと気張っちゃうんだけど、意外と裏目に出てるかも。
そりゃそうよね。
贈る側はひとつだけど贈られる側はたくさんのお返しをしてる訳で。
レアなものを差し上げることはそれだけお相手の時間を割かせ悩ませることになることもあるのかもしれません。
贈るものは分かりやすいものを。
反省を込めて贈り物ルールに書き足したのでした。
熨斗でモヤモヤした話
さて。
贈り物といえば熨斗。
友達の誕生日プレゼントや父の日、母の日の贈り物ならサクッと贈れるのに、店員さんに
「お熨斗はいかがいたしますか?」
と尋ねられるとビミョーにハードルが高くなる気がするのはなぜ?
熨斗なんて赤黒間違えなければ問題なし!
もひとついうなら『蝶々結び』は繰り返しほどいて結び直せるので繰り返し起こってほしいお祝い事に。
結婚関係なら『結び切り』にすればよろしい。
あとは聞かれてドキッとするのは『内熨斗』『外熨斗』
突然言われるとどっちだったっけ?となるけれど、あなたがお祝いをする方であれば「おめでとー!」の気持ちが全面に出てくる『外熨斗(包装紙の外側にのし紙を巻く)』に。
お祝いされる側であれば嬉しい気持ちを控えめに隠すため『内熨斗(包装紙の内側にのし紙を巻く)』に。
うむ、日本人らしい、奥ゆかしい風習です。
この程度押さえておけばいいでしょう、そう思ってました。
でもね、落とし穴は意外なところに潜んでいるものなのよ。
お祝い、お返しラッシュも済み数日後。
会社から帰宅した若さまから小さな包みを渡された。
「なに、これ?」
「もらった」
そして、そこに貼り付けられたのし紙を見て思わず二度見した。
『愛子・早苗』
と書かれていたからだ。
「親戚の人?」
「ううん、会社の人」
若さまの職場の皆様からは既に連名で立派な贈り物をいただいていた。
聞けば退職した方と産休・育休中の方らしい。
職場の贈り物に間に合わなかったのでわざわざ別に用意してくださったようだ。
それはそれで大変ありがたいことなのだけれど。
有名百貨店のロゴの入った箱に詰められた高級タオル。
結婚のお祝いとしてはごくごく一般的なお品だ。
だがどうにもこののし紙に違和感を覚えた。
なぜなら通常名入れはフルネームか名字のみだからだ。
ごく稀にファーストネームという場合もあるが、それは同じ名字の兄弟の場合(同姓の親戚であればフルネームにする)で、友人関係でファーストネームを使用する場合はよっぽど親しくカジュアルな贈り物に限る。
いただいたものを両家の両親にお披露目したりはしないが、結婚のお祝いってカジュアルなものではないんじゃないだろうか。
つまり、ファーストネームで呼び合うような仲良しさんということか。
「私たち、こーんなに仲良しなんです!」
もしもこれが『健二・一也』とか書いてあったら、年に一、二度集まっているという学生時代のお友達なのかな、とほほえましく思うところなのだがこの押さえきれないモヤモヤは一体なに?
そもそも結婚祝いって新郎・新婦ふたりに贈られるものであって、当然この『私』も受取人の一人であるわけなのだけど愛子という人も早苗という人も存じ上げない。
私のことはガン無視ですか?
いきなり土足で上がり込んできておいて私だけ蚊帳の外でパーティでもおっぱじめられたような気分だ。
いやいや、もらうもんをもらっておいて不服に思うのもなんだ。
もしかしたら、退職された方はお若い独身のお嬢さんだという、たまたま熨斗をつけるような贈り物をする経験がなく無頓着だったのかもしれない。
私だって今まで熨斗をつけた贈り物なんて、この機会まで数えるほどもなかった。
百貨店のギフトサロンで購入していれば店員さんが名入れについてはアドバイスしてくれただろうがおそらくこれはネットで買ったに違いない。
そういったアドバイスを受けられなかったのだろう。
うん、そうだ。
そうに違いない 。
そう自分に言い聞かせようとしたところハタと気づいた。
わざわざタオルを届けるためだけに退職した職場に来るだろうか。
そもそも彼女たちはどうやって若さまの結婚を知ったのだろうか。
退職した彼女よりも育休中の彼女が復職面談などで顔をだし、その時知った。
それが自然ではないだろうか。
とすると贈り物を用意したのは育休の彼女の方か。
となるとまた見方が変わってくる。
なぜなら育休中の彼女であれば(複雑な事情もあるかもしれないが)結婚祝いや出産祝いをもらった経験がある可能性が高い。
であればこの名入れに問題があることなど分かりそうなもの。
もしや、あえての挑戦状か!?ああん?
その勝負受けてたつ!!!
……………とは言わず。
粛々とギフトサロンでオリーブオイルの詰合わせをお返ししときました。
もちろん名入れは『イシイド(実際には本当の本名)』で。
我々のファーストネームの連名にしてやろうかとも思ったけれど、大人げないっちゅーかただのバカップルに見られても恥ずかしいので。
というわけで些細っちゃ些細なことで実はモヤモヤし続けたんですよ、三日くらい。
友人に愚痴ったら「相手に常識がなかっただけよ、気にすんな」となだめられた。
確かに風習とか慣例とか、今時古いというのかもしれないけれど。
少し外れたくらいで「まぁ非常識!」と目くじらを立てたりはしないけど、相手の心を波立たせることもある。
せっかくの厚意にケチがついてしまうのももったいない。
かといって全部やめちまえ、というのも味気ない。
スマートにさらりと贈り贈り返す、そんな大人になりたいと思ったのでした。