バリキャリ乙女のイド端会議室

主に婚活、時々しごと。華麗なるバリキャリの脳内会議の一部始終。

ピアスホールな関係

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


皆さまはアクセサリーって普段つけたりしますか?
イシイドは普段ピアスをしております。
それからお守りの指輪。
あとは営業職なので時計もおしゃれではないですが欠かせません。


メイクして、スーツ来て、時計して指輪して装備完了!
いってきまーす!!
って流れなんですが…おや?
ピアスは?


…つけっぱなしなんだもん。

 


校則について思うこと


さて、イシイドは高校を卒業して3日後にピアスを開けに行きました。
実は小学生くらいの時からずっと憧れてましてね。
多分少女マンガの登場人物がピアスをしてて、それに憧れたんじゃなかったかな。
吉住渉さんの『四重奏ゲーム』だったと思うんだけど、主人公の1人が赤いピアスをつけていた。
不良っぽさに憧れたというよりは、強い意思の象徴というか。
子どもながら、そんなものに憧れてたんだと思います。


今どきの校則はどうなっているのかわからないけど、私たちの頃は『制服でだって個性を出したい』といって先生たちの目をかい潜って違反ギリギリの服装をするのがオシャレだったんだろうな。


そして、なんとなく想像つくだろうけど私は校則を始め、ルールは守りたいタイプ。
三歩くらいで渡れそうな横断歩道をみんなが渡っても青になるまで絶対渡らなかったし。
校則はきっちり、制服も改造したりはせず、真っ黒のド太いみつあみでダサダサに着こなしておりました。


それは規則を破って怒られるのが嫌なんじゃなく、学生時代の数年間くらい規則に則って生活したっていいんじゃない?と思っていたから。
地域によってはビックリするような珍校則もあったりするようですが、


たった3年間のそういうルール。


むしろそんなルールも守れないようなら、例えばプロのスポーツ選手なんかにはなれないんじゃないの?
と思ったりします。


さて、高校を卒業してすぐに開けたピアス。
誰にも言わずに開けたので、母親は泣いて、1週間くらい口もきいてくれなかったかな。
そんなこともありましたが、あれから20年くらいのお付き合いになるわけです。

 


耳たぶのキズ


※お食事中の皆さまご注意ください。


今年の2月ごろだったでしょうか。
右の耳たぶがかゆくなって、血小板?なのかな、透明な液体が滲んでいることが多くなりました。
膿んだりはしてなかったようなので病院にはいかなかったのですが、なかなか治りません。
そして夏前のある日を境に、右の耳の症状はすぅっと治まり、今度は左側に現れました。


ううーん、なんだろう?


記憶を探ってみると最初に症状が現れた頃にお通夜があって、会社でピアスを外したことを思い出しました。
その時、片方だけ会社に忘れてしまって、家にあった予備のピアスに付け替えてそのままにしていたのです。

症状が右から左に移ったのは染ったのではなく、ピアスをクリーニングした際に右と左を交換してつけたのだと推測された。


実はイシイド、今愛用のピアスをいたく気に入っておりまして、以前に無くしたといって騒いだ時にもうひとつ購入したんですね。
普通は2個で対のピアスが3つある状態。


鍵は第3のピアスに違いない。

 


アクセサリーに必ず書いてあるアレ


左のピアスを引っこ抜くと子細に観察を始める。


よぅく見るとポスト(軸)が微妙に歪んでいる?
いや、それよりも。


殿方さまにはあまり馴染みがないかもしれないけれど、金属製のアクセサリーには必ずその素材が刻印されている。
Pt950とかK24とかK18WGとかSV925とか。
金属アレルギーに対する配慮だと思われるが、ハズキルーペでもなきゃ見えねぇよ、という小ささで書かれている。
ピアスの場合、ポストに刻まれているようだ。
初めて知った。
その文字とおぼしき凹凸が粗いような気がしたのだ。


右のも引っこ抜いて見てみると同じ刻印はあるけどこんなに輪郭がくっきりしていない。
念のため、予備のピアスも取り出して比べてみたけれど、やっぱり1本だけ凹凸がキツい。


肉眼で違いがわかるのだ。
ハズキルーペだったら剣山のように見えたかもしれない。
もしかしたら、少し歪んだことで刻印の縁が強調されてしまったのかもしれないね。
とにかくこの1本のピアスの小さなキズが私のピアスホールに傷をつけていたに違いない。

 


ピアスホールな関係


さて。
正直なところ、20年も開いているピアスホールが未だにこんな些細なことで傷ができるなんて思ってもみなかった。
業界では『ピアスホールが安定しない』というのだそうだが、人間関係もそんなものだなと思った。


長く付き合ったから、20年連れ添った夫婦だから、壊れるわけがない。


そんなの幻想だ。
ほんの小さな、ささくれみたいなほころびでいとも簡単に『安定しない』状態になってしまうのだ。


元々人間の体にはピアスホールなんて部位はない。
後から作ったものだ。
もしも仮にピアスを通すことを止めたら、穴はふさがるかもしれないが、傷痕が残ったり、古くなった角質を抱え込んでしこりが残ったりするのではないだろうか。


絶対に壊れない関係なんてない。


そしてひと度揺らげば、その痕跡は残るもの。


生まれたままの赤ん坊のような耳たぶに戻ることなんてないのだ。


元々別の人間なのだから、いつだって、いつまでだってケアし続けていくことが必要なのものなんだろう。


パートナーを『空気のような存在』と例える人もいる。
だけど、空気のように当たり前の日常に敬意を払わねば、思わぬしっぺ返しを食らうことになるかもしれない。


まだ少しだけ荒れている耳たぶに、お気に入りのピアスは今日も輝いている。

 

 

 

 

 

 


 

『ハッピーエンドを前提として』と地獄を見る男

年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


本日、登場人物多めです (^_^;)

 


Twitterにて


先日ブログ仲間のもうお馴染みですね、うえの(id:uenoyou111)さんのこちらの記事にコメントしたところ、

 


うえのさんにはついついこういうお遊びを吹っ掛けてしまうんですよね。
ご迷惑だったらごめんなさいね。
ともかく、そのお返事がこちら。

 

 


およ。
私の中のうえのさん像って、いろんなことをいつもスマートにこなすけど時にシニカル。


それがあら。


なんだかいい話にしようとしてます?
いえいえ、全然ヘンじゃないのよ。
だけど、なんだかちょっとだけひっかかったのです。


そしてそれと同時に二人の人物のことが頭をよぎりました。

 


『ハッピーエンドを前提として』


まずお一人目ブロガーのui(id:ui0723)さん。
正確にはブログタイトルか。
更新頻度は緩やかなものの、その記事は毎回独特で非常に人を引き付けます。
私がブログを始めてからすぐ読者登録させていただいた。
Twitterフォロワー約4万人(2018.9現在)。
先日、『元カノから契約結婚を持ちかけられた話』が話題になっていたのでご存じの方も多いでしょう。

 

別れて10年の元カノから「契約結婚しない?」という最高の連絡が来た - ハッピーエンドを前提として

 

インタビュー記事も拝読したけど、ことごとく面白い方だなぁと思う。
そのuiさんのブログタイトルが『ハッピーエンドを前提として』です。


最高じゃありませんか?


『ハッピーエンドを前提として』

 

もっかい言っとく。

 

最高じゃありませんか?


良い結末しか訪れないから、より良い結末を迎えるためにどうしたら良いか。
私たちの人生はハッピーエンドが大前提なので悪いことが起こったところでそれはただのスパイスに過ぎない。
だってハッピーエンドなんだもん。
同じ『努力』をするにもモチベーションが全く違うのだ。


この発想は人類を幸せにするのではないか。


声に出して読みたい日本語。
今すぐ座右の銘に採用したい。


ご本人としては皮肉のつもりのタイトルかもしれないけれど、ハッピーエンドを前提として呼吸をすればとても生きやすいに違いない。

 


婚活相手は地獄を見る男


もう一人は婚活のお相手様でした。
ちょうど去年の今頃に出会った方。


待ち合わせの目印に『青い文庫本』を持っているとのこと。
まだお互いを写真でしか知らない状態なので、待ち合わせに目印を設定するのは当然なんですが、大抵の殿方さまは『黒いカバン』とか『紺のスーツ』とか、その辺にわらわらいそうな目印を平気で指定してくるので結構探すのに苦労するのです。
そんな中で、彼は『青い文庫本』
なんだかステキ。
しかも本好きのイシイドとしては何の本だか気になってとても楽しみにしていました。


お写真で見ると笑顔なのだけど、少し冷たい印象の彼。
怖い人だったらどうしようと思っていたのだけど、実際にお会いしてみたらそれほど尖った感じはなく、いえ、ぶっちゃけタイプな外見の方でした。


『青い文庫本』の正体をお尋ねすると、『星の王子様』でした。
色々なビジネス本、啓蒙書を読んだけれど結局ここに行き着いたのだそうです。
こういうインテリそうなところもイシイドのハートは鷲づかみでした。

 


初顔合わせの時の注意点


余談ですが、私が初顔合わせの時に気を付けていたのはあまりしゃべりすぎないこと。
できる限りお相手の情報を引き出し、そして自分の情報は出し過ぎないためです。
男性は自分の話を聞いてくれる女性に好意を持つ傾向が強いので、できるだけしゃべらせましょう。
こちらも判断材料が増えるので一石二鳥。


この場合、女性は自分の話を聞いてもらえなかったと不満に思いがちですが、初回で自分を完全にさらけ出しては早く飽きられるだけ。
まだお付き合いをするかどうかもわからない人物に個人情報を与えすぎるのも危険ですし、聞かれたら答える、くらいのスタンスで充分です。
つい自分のことをしゃべりすぎるお嬢さまはテクニックとして知っておくとよろしいんじゃないでしょうか。

 


そして地獄がやって来た


そんな訳で。
普段は私が質問してしゃべってもらうことの方が多いのですが、彼はお話上手で気がつけば私も仕事の愚痴のようなものまでしゃべっていました。
何かモノを言うとそれを上回る知識で返ってくるのでちょっと悔しい。


通常、初顔合わせは1時間程度で切り上げるものなのですが、40分を過ぎた頃、


「それは甘えなんじゃないかな」


から始まり説教モードに突入しました。
あまりに辛辣で涙目になるイシイド。
ごめんなさい、婚活なんてしてる場合じゃなかった。
帰って仕事します。
めそめそ。


そして彼の話は止まらない。
柔らかな口調でありながら自分の苦労してきた話、仕事の在りかた、社会の歪み。
そういった世の中の厳しさやダークサイドを語り尽くす。
そこから更に1時間ほどたった頃。


「マキさん、これからの日本は地獄ですよ。
知識は裏切らない。
だからどんなことにも対応できる知識を身につけたいものですね…」


彼はNHKスペシャルの2時間番組を締めるキャスターのように、20年後の未来を憂うような微笑みを浮かべて押し黙った。

 


はい?


正直、婚活の場で地獄というコトバを聞くとは思わなかった。


たぶん、普通ならお断り案件であっただろうが妙にツボってしまって、その後も何回かお会いした。


もしも、私が10年、15年若ければ。
『イエス』と言わせるまで迫って落としにかかったと思う。
こういう緊張感があってヒリヒリするような関係に溺れたと思う。
それくらい彼は魅力的だったのだ、私にとっては。
メールのやり取りも、なんだか戦いを挑み続けるような高揚感があった。
このまま会い続ければ、もしかしたら二人の間には恋人らしい、優しい空気が流れたかもしれない。


だけど。


その時、私にはいつもニコニコと微笑む人が側にいた。


同じ未来を見るのなら、地獄に備えることよりも明るい未来を描ける方がいい。


私は、地獄の業火に焼かれることより、陽だまりのような、その手を取ったのだった。

 


長い前フリでごめんなさいね


えーと、そうそう、それでうえのさんの話よ。


うえのさんの返しもハッピーエンドを前提としてというか、ハッピーエンドに向けられている。


最終的に支持を得られるのは明るい未来を見据える人だ。
もちろん、ネガティブな話題を否定するつもりもない。
そこにその人の本質が潜んでいるのだから。
でも人間関係の入り口ではまだ早すぎると思うのだ。


そんなことをしみじみ考えていると、うえのさんからお返事がきた。

 

 

 

やっぱりうえのさんの方が一枚上手のようで。

別れの流儀

キィ…


あら、いらっしゃ…
なぁに?辛気くさい顔しちゃって。
あ、例のカレシのことね。
もぅ、忘れた方がいいって…まぁ、とりあえず飲みましょ。
もぅ、ほら泣かないで。

 


ようこそ、barイシイドへ。
こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。
近所にこんなお節介なbar(スナックか?)があったらいいのにな。


前回、別れの理由は聞かない方がいいよーというお話をしました。
では、あなたはどんな風に別れを切り出しますか?

 


告白は晒したい


ところで。
最近の高校生の告白はLINEでするものなんだそうです。
しかもLINE通話。
なぜなら、告白を文章で送るとスクショの上拡散されるリスクが高いから。


しょ、証拠隠滅ですか。


丁寧にひと文字ひと文字綴られたお手紙やメール。
私だけに宛てられたものだから誰かに見せるなんてとんでもない。
私だけの秘密の宝物…


でもLINEだとなんででしょう。


ヤバーい (カシャ)
みんな見て見て!
告られた(σ≧▽≦)σ


モテ自慢なのかラブラブ自慢なのか、やだコイツキモーいなのかよくわかりませんが、途端にライトでポップな印象。
ひとネタゲッチュー。
晒してナンボ。


そりゃ、男子も慎重にもなりますよ。


我々の時代では証拠隠滅なんてするのはボスくらいなもんです。


『尚、このテープは自動的に消滅する。では諸君、健闘を祈る』


ちゅどーん


ってね。
普通の男子高校生が秘密組織のボスと同じくらいの危機管理能力をもっちゃってる時代に突入いたしました。


とはいえ、まだまだ『顔をあわせて告白するのが誠意』という風潮も根強いものです。
『顔をあわせて告白』が誠意なら『顔をあわせて別れる』も誠意なんでしょうか?

 


『顔を合わせる』だけが誠意じゃない


確かに、今日まで普通に笑って会話をしてたのに、何の前触れもなく


突然の電話やメールの着信拒否。
突然のLINEブロック。


そんな一方的な無言の『さよなら』は誠意がないと言われたって仕方がないですよね。
でも、やってる方はそんなの百も承知でしょうし。
『顔を合わせず』に『さよなら』したら即誠意なし、ということでもないと思うのです。


例えば。


もう私たちが終わってることはわかってる。
だけど、二人で過ごした日々の思い出が心地のよい霧みたいに絡みつくのだ。
会えば。
まだやり直せるかもと錯覚してしまう。
だけどもう、終わりにしよう。
『さようなら』の五文字に込めたアイラブユー。
もう会わない。
それが二人のためになるのだから。
そしてそっと送信ボタンに触れるのだった。


とかさ。
もちろん遠距離とか会うのが困難なケースもあると思うよ。
『別れ』に至るまでにちゃんと誠意を持ってぶつかることができたなら、最後の言葉はただ背中を押すためだけにある。
メールでも、電話でもいいじゃないか、と思います。


会いたい理由


それでも『さよなら』は直接会って言わなきゃ気がすまない派のアナタ。
『誠意』ってもっともらしい言い訳だけど、それホント?


もはや映画や遊園地、楽しいことでは会ってくれなくなったお相手に会える唯一の手段、別れ話。


どんなに惨めで、これが最後になるのだとしてもせめてひと目あなたに会いたい


というのならまだしも。


いやコレ、ゼッタイ他にオンナがいるでしょ。
洗いざらい吐かせてとっちめてやる!


という思いなら尚更会わない方がいいと思うのです。


アナタ、ご自分のオニヅラを鏡で見たことありますか?


ブッサイクやでー。


もちろん、大好きな彼の気持ちが他所に行ってしまったら悲しいし、浮気をされたら憎くも思う。
謝ってほしい。
その気持ちはよく分かるし仕方がない。
けど。
そんな鬼のような顔で浮気だの二股だのを相手に認めさせようと迫るなんて怖いだけ。
もしも浮気が誤解だったとしたら、鬼のようなあなたを見てまた愛そう、大事にしようと思うだろうか。


嫉妬と怒りに燃える般若顔。
それが愛しい彼に見せる最後の顔になるなんて、私なら耐えられない。


パートナーの裏切りは、悔しくて辛くて悲しくて、憎くて許せなくてせめてひと泡吹かせてやりたい。
ギャフンと言え!
思いつく限りの罵詈雑言で罵ってやる。


と、思うなら会ってお別れするのはやめましょう。


彼にとっての素晴らしい思い出が、あなたのそのオニヅラに塗り替えられてしまいましてよ。

 

では、イシイドは泣き寝入りせよというのか?

もちろん結婚詐欺みたいに金銭的にも精神的にも傷を負い、おまけに社会的評価まで落とされたというなら話は別だ。

徹底的に戦うべき。

だけどそうでないならお相手の多情で薄情な本性を見抜けなかったことは、高い授業料だと思うしかないのだ。


人は散り際にこそ本性が濃く表れるもの。
去るときは礼を尽くし、また去られる時も礼を欠かさぬこと。
乙女よ常に美しくあれ。
これこそバリキャリ乙女流別れの流儀でございます。

別れの理由を知る必要はありますか?

こんにちは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


このブログは


『主に婚活、時々しごと。華麗なるバリキャリの脳内会議の一部始終』


なんですよ。


忘れてたダロ。
ワタシもダヨ。


というわけでたまには婚活らしいお話をしようかなと。
しかも最近のネガティブな流れに乗っかって、『別れの理由を尋ねること』について。


あなたは愛するパートナーから別れを切り出されたとき、その理由を知りたいと思いますか?

 


別れの理由を考察して気づいたことは


ワタクシ、イシイドが婚活していた頃に紹介で出会った殿方様のこと。
悪い人ではなかったけれど、本当は『この人と夫婦になることはないな』と直感していた人。
ただ、とても熱心にお誘いいただいたので断り難くてずるずるとお会いしていた人。
そういう、自分の心にウソをつくような関係性は長くは続かないものだ。
結局、些細なことがきっかけでお断りをするはめになった。
単純にご縁がなかっただけのはなしだが、『ご紹介者』さまが『お断りの理由』を教えてほしいと食い下がってきたのだ。


今思えば。


当たり障りのない『理由』を箇条書きでお伝えすれば良かったのだろう。
だがブログを始めてアブラがノリノリだったイシイドは、詳細にレポートをしたためた。
原稿用紙5枚を越える力作だ。


この殿方さまのここを直せば結婚できるハズ!
誰も注目しないであろう、重箱の隅をつつきまくって穴空いたんじゃね?くらいの微に細に入ったダメ出し。
もはや悪口。


紹介者もドン引き。


いや、今なら私でさえ引くわー。
ごめんね、めんどくさくて。

 


『別れの理由』を尋ねることの是非


実際にあのレポートが当人に伝えられたかはわからない。
むしろ伝わってたら、相当傷つけただろう。


ただ、信じてほしい。
私は本気で彼のために、彼が結婚するためにどうすればいいか考えた。
彼をお断りする私だからこそ、何を嫌だと思ったのか真剣に考えた。


ヨッシャ、私は婚活相手の枠を越え、彼の担当婚活コーディネーターに成り代わり、彼の悪癖を成敗してくれるわ!


悪霊退ー散!!


くらいの気持ち?
それくらいのテンションで書き上げたレポートを見て。


そして気がついた。


『断る』と決めたなら、どんな些細なことも『別れの理由』にできるのだと。
つまりは何をどう修正したところで戻ることはないのだ。

 


『別れの理由』を聞いたところで


私も過去には『自分のダメだったところ』を確認しなければ気がすまなかった。
今回のミステイクを次に生かさねばならぬ。
だけど、それって結局無駄なことだったのよ。


『別れたい』の理由は様々だ。


『自分の悪いところ』を直しても恋が上手くいくとは限らない。
『自分の悪いところ』を直して恋が上手くいくならば、直して直して直して、聖人君子の様になれば上手くいくのか。
恋が上手くいった人たちみんなが聖人君子か?
そうじゃないはずだ。
『あの人にとっての欠点』は『この人にとってのチャームポイント』かもしれない。


もちろん『自分の悪いところ』が、時間にルーズとか食べ方が汚いとか、本人の心構えでいかようにもなりそうなことで、常識的に直しておいた方がいいことだったら。
聞いておいても損ではない。


だけど所詮、去り行く人だ。


言われたときは傷つくし素直に直そうと反省するだろう。
でも顔を見なくなり言葉も交わさなくなり、恋心が薄らげば徐々に忘れてしまうだろう。
離れていく相手からのダメ出しなんて聞いたところで残りはしないのだ。


つまりは聞くだけ無駄ってことなのね。

 


『別れたい』の理由を聞く意義は


では、お相手の『別れたい』は黙って受け入れなければならないものなのか。
それって泣き寝入りじゃないの?


『別れの理由』を膝を突き合わせて明らかにしなければいけない場合もある。
それはお互いがどの関係性であるかによるかだ。
具体的にいうと、つき合っている、夫婦である、などお互いがカップルであると確認がとれている場合だ。


カップルがお相手に対し『別れたい』理由を語るとき。
それはこれからも関係を持続させていくことが大前提になる。
このままカップルでいることを望むから、何を改善すればいいのかを話し合うのだ。
もちろん話し合いの結果、別離を選ぶことだってあるだろう。
だけどそれはそれ。
カップルが『別れの理由』を話し合うことは、今まで築いてきたものを無に返すか更に積み上げるかの瀬戸際だ。
お互いが前を向き、このまま手を携えて進むのか放して進むのか。
是非ともしっかり話し合ってほしい。

 


ダメな理由など知りたくない


まだカップルでもない私たちはカップルになれない理由を知る必要などない。
ニブイ殿方さまには分からないかもしれないが、聡明なお嬢様ならとっくにわかっているはずだ。


この恋が上手くいくかいかないかなんて、あなたのカンが訴えている。


『別れの理由』を聞くことは相手を引き留めようとする足掻きにすぎない。
その足掻きで時間を無駄にし、心をくたびれさせるくらいなら他に目を向けてみて。


あなたには楽しいものを見る権利があるのだから。

 

 

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生理的に無理だと思うこと

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


俳優 佐藤仁朗氏のツイートが話題になっております。

 

twitter.com

 


むむ、婚活において『生理的に無理でなければ会ってみるべき』というスタンスでお話ししておりますイシイドとしては考えなきゃいけないなーと思ったりしました。

 


佐藤仁朗さんのTwitter


元々、深イイツイートで話題になることが多い佐藤氏です。
ですが、今回は多くの賛同と、一方で『我慢しなくちゃいけないのかな?』というつぶやきとが混ざりあう状況。
それでも。
すべてのコメントを確認したわけではありませんが、佐藤氏自身に対して批判や暴言がある、いわゆる『炎上』ではありません。
各々がこの問題に向き合って発言するというとても成熟した状態であったということが印象的でした。
日本人、やればできるじゃん。


んで。


佐藤仁朗さんは芸能人で、役者としてもキャリアのある人です。
だからエゴサーチなんてするかは分からないけれど、一般人からの有名税的な『悪口』なんて日常茶飯事でしょう。
ということは、身近な人物からのコトバだったか『そう言われて悩む誰か』に対するエールだったのじゃないかなって想像します。
ともかく『生理的に無理』と発言した誰かがいたということなんですね。

 


『生理的に無理』はある


さて、『生理的に無理』という言葉について。
残念ですが『生理的に無理』はあります。


例えば、誰もが目を背けたくなるほど不潔だったりすると分かりやすいですね。
でも、顔の作りや表情、声(発声の仕方)だったり、視線の送り方だとか。
ご本人が気をつけるというか、努力でどうにもならないところで『合わない』と思われてしまうことはままあります。
甲さんにとってはなんとも思わないけど乙さんにとってはムリ!
とかね。
人によってアリナシが変わることだってあります。


だって人間だもの。


みんなちがってみんないいんですよ。

 

 

罪悪感はありますか


そういう印象を持ってしまったことに罪悪感を持つ必要はありません。
あなたはそう思った、それでいいんです。


でもさ、それを駄々漏らしちゃいないよね!


SNSや公衆の面前で


「誰それがキモい」


「アイツマジでムリ」


なんて発言を、なんの躊躇いもなくできてしまう人々は『生理的に無理』のハードルが相当に低い。
月9(古いか)バリに美男美女揃いでなければみんなキモいのだ。
そして低いゆえに「あの映画観た?めっちゃ面白いよねー」というのと同じ感覚で吐露するのだ。


一方、


『あぁ、無理って思ってしまった…なんて偉そうなの…
懺悔して出家してしまえばいい、私のバカバカ…!』


くらいに胸を痛めるあなたなら、そのハードルは相当高い。
言ってみれば棒高跳びクラスだ。
もはや競技が違うので『生理的に無理』発言に対する批判は気にしなくていいのですよ。

 


『生理的に無理』発言の真意


では、ある意味他人を細胞レベルで否定する最強の拒否ワードである『生理的に無理』という言葉。
これをあえて発言するということは一体どういうことなのだろうか。


答えはかんたん。
マウティングだ。


しかも相手より良いものを提示するのでなく、相手を落として自分を上げるタチの悪いマウティングスタイルだ。


かなり限定的な例えだけれどA子さんがB男君に告白されたとする。
そこへ友だちのC美ちゃんから


「ねえねえ、B男君から告白されたんでしょ?
どうなの?」


なんて聞かれたりする。


「ムリムリ!生理的に無理だもん」


ところがですね、A子さんは知ってか知らずか、C美ちゃんはB男君のことが好きだった。
いや、知ってて言ってたら相当な性悪だけど。


本来ならライバルがフッてくれたおかげで大チャンスのC美ちゃん。
だけどA子さんの『生理的に無理』発言で急にB男君がくすんで見えてしまったのだ。
友だちのA子さんに箸にも棒にも引っ掻けてもらえないような殿方を、なぜ私が追いかけなきゃいけないの?
結局C美ちゃんの気持ちはみるみるしぼんでなかったことになってしまった。


おまけにそこにはDちゃんもいた。
DちゃんはB男君のことはなんとも思っていなかった。
A子さんとの失恋からほとぼりが覚めた頃、B男君はDちゃんにアタックした。
イマドキ稀有なガッツだ!
頑張れB男!


元々、Dちゃんにとって、B男君は特に悪い印象はなかった。
彼氏募集中だし、何より付き合ってみないと分からないよね、というタイプだ。
だけどやっぱりA子さんの『生理的に無理』発言で急に不安になったのだ。
友だちのA子さんはこのなんの変哲もないフツーの人のどこが『生理的に無理』だったのだろう?
もしかしたらトンデモナイ性癖でも持っているのだろうか?
結局Dちゃんもお断りの運びとなった。
無念。

 


いやもう、B男君の見る目が無さすぎって話じゃなくってよ。


A子さんはB男君をカーストの底辺まで叩き落とした訳だけど、周りから見れば底辺のB男君とA子さんはなんとなく切り離し難く、ニアリーイコールで結ばれているようなものだ。
マウティングしたはずがマーキングもしたことになってるってことなんだな。
誰かを貶めるという行為は巡りめぐって自分にかえってくるものなのよ。
もしもさらにE奈ちゃんがいたら、『生理的に無理』とか言ってるA子のことが『生理的に無理』って思うかもしれませんね。


だから『生理的に無理』はある。
だけど公言してはならない。
言うなら本当に信頼できる人にだけ、外に漏れないことが鉄則だ。

 


最後に


『生理的に無理』という言葉は主に女性から男性に向けて使われることが多く、女性に対して使われることは少ないかもしれません。
でもそれは女性がそう思われていないということではありませんよね。


女性に対して『生理的に無理』という男の人ってサイテー


みたいな倫理を逆手に取った社会的な圧力が働いているはず。
そういう意味で男性の方が女性に対して配慮しているということなのかしら。
なぜ、女性だけが『生理的に無理』なんて暴言を許されているのでしょう。
いや、許されてないはずなんだけど。


言われないだけで思われているんだよ、あなたも私も。


『生理的に無理』だと思ってもいい。
ただ、それを口にすれば同じだけ、それ以上に返ってくるということを肝に命じてほしいのだ。

 

 


 

スマホの液晶が割れてる分際で恋をしようなんて100年早ぇよ

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


先日、スマホの液晶を割っちゃいました (´;ω;`)


仕事帰りの駐車場。
バックから逃げ出すように落っこちた私のスマホ


「もうヤダ、疲れたーっっ」


と言わんばかりにアスファルトの上に突っ伏したのです。


私の方が疲れてるよっ


少しイラ立ちながら拾い上げると

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キタナイ写真でごめんなさい 笑
こんな風にバッチリヒビが入ってしまいました。

 


割れたらどうする?


ご覧の通り、ヒビも小さく使用する分には問題はなさそうです。
だけど保護フィルムから出てる部分のガラスがパラパラと落ちてきて水が入りそう。
なにぶん、今までにガラケーを含め液晶が割れたことなんかなかったからちょっぴりショック。


ひとまずドコモさんにおたずねすると保証サービスに入っているので修理なら二週間ほどかかって5,000円(税別)、交換なら8,000円(税別)。
3日後には自宅に到着するので自分で入れ替えをして返送という流れです。


ちょうど、某ゲームがイベント期間中だったので(…)二週間も代替機生活は耐えられない。
画面が割れるくらいの衝撃があったのだから中にもダメージは多少なりともあるでしょう。
ということで少々お高いけれど、交換をお願いしました。
お盆休みを利用して中身の入れ替えを済ませたところです。


それにしても。


全く同じ機種なはずなのにビミョーに使い勝手が違うのですね。
何より文字の変換のセンスが合わない。
(これが一番困る)
以前の子はまだ1年も使っていなかったのだけど、手放して少し後悔しています。
新しいスマホはまだ慣れないけれど、、チマチマと設定をいじくってみたりしながら親交を深めております。


色々なアプリの引き継ぎも面倒だったし、データ(画像)も少しなくなってしまったり。
単純に新しくなってラッキー!とは喜べないことがチラホラあって、たかがスマホ、されどスマホ
1台1台に個性があって大事な相棒。
大事に扱わなければな、と思ったのでした。

 


画面の液晶割れは恋を遠ざける


さて、本題。


あなたはスマホの液晶が割れたまま使っていませんか?


スマホの故障で最も多いのは画面割れ、約4割の人は修理せず


こちらの記事によると、約4割の方が割れたままのスマホを使用、しかも女性の方が割合としては多いのだとか。


えっ、マジ?


そして中でも女子高生の割れたまま利用率が非常に高いらしい。


あー、うん、なんかわかるかも…


カワイイものに目がないはずの女子高生ですから、カワイイカバーを使っていれば、液晶画面は気にならないのかも。
背面(カバー)はみんなに見られるけれど、液晶は自分しか見ないもんね。
液晶の修理代にお金を使うくらいならカバーにお金をかけたい、そんなところでしょうか。

 


画面が割れている人の印象


ところがですね、スマホの液晶画面が割れたまま使用している人の印象というのは非常に悪い。


画面割れスマホを持つ人が「信用できない」のはなぜか、心理学者に聞いてみた


職場の同僚の画面が割れていたら『出世が遅そう』とか『一緒に仕事をしたくない』とまで思われてしまう…
大袈裟な!と思うかもしれませんが、確かにバッキバキのスマホを使い続けるのはだらしない印象ですよね。


そうそう、ナンパ師は液晶の割れている女の子を狙うのだそうですよ。


性格がだらしなさそうだから。
男関係やお金に緩そうだから。


容易くお持ち帰りできてしまう、らしいです。
ホントかい?
実際にどうかは別として、そんな風に見られてしまうみたいですよ。

 


スマホはその人の分身だ


今回スマホの乗替えの手続きをしていて思ったのが、スマホには個人情報が詰まっているということ。
これまで顔パスで使えていたサイトもイチイチ全部登録しなければいけない。
通販だって昔ならその都度、住所やカード情報を打ち込まなければいけなかったけれど、スマホのおかげで(正確にはGoogleさんやYahoo!さんや楽天さんのおかげなんだけど)そういう諸々の面倒を省略してくれる。
画像も、検索履歴もその人の趣味思考を知るには充分な情報だ。
スマートフォンは自分自身であり、超側近の秘書みたいなもの。
こんな大事なものを雑に扱う人というのは、やっぱり自分や自分の大事な人のことも雑に扱ったりするんじゃないだろうか。


だからバッキバキのスマホで婚活サイトを渡り歩いたり、既読が付かないと逆恨みするような人がいれば『スマホの液晶が割れてる分際で恋をしようなんて100年早ぇよ』そう言いたい。

 


最後に少し怖い話を


最近のスマホUIMカードやMicroSDカードが簡単に取り出せないようになっている。
専用の器具がないと外せないのだ。


専用の器具は引出しのどこかにしまったはず。
とりあえず、乗替えのためにバックアップを取ろうとするとSDカードにアクセスできないというのです。


中で外れちゃったかな?


仕方がないので諸々の情報をクラウドにバックアップする。
そして取り外し器具を引出しの奥から見つけ出してカードリーダーを取り外すと、


SDカードがない?


1年くらい前に機種変更をしたときに一緒に付け替えたはず。
画像のデータはそれで引き継いだから間違いない。


そういえば、ここ数週間前から時々『SDカードにアクセスできませんでした』とエラーが出ることがあった。
ちょうど液晶が割れた頃からだったので衝撃でSDカードが外れてしまっただけだと思っていた。
数週間前。


それ以前にそんなエラーは出たことがない。


一体いつから?


いつからSDカードはなかったの?


カフェで席取りのために、職場でデスクの上に。
キミを置き去りにしたことは幾度かあった。


キミは私のデータを誰に渡したの?


UIMカードが抜き取られ、初期化のボタンが押される。


ふふふ、そんなの知らないわ。
だって、わたしは交換されちゃうんだもの。


そう言い残して、キミはすべての動きを止めた。

 


どうか皆さま、そのスマートフォンから目をお離しになりませんように。
大事なデータがどこかにいってしまうかもしれません。
 

誘惑は二者択一で

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリイシイドです。

 

人生とは、『選択』の連続です。
生涯の伴侶を選ぶのも選択、今日のお昼ごはんを決めるのも選択です。
大きなものから小さなものまで、日々繰り返す『選択』
でも、あなたのその『選択』は、本当にあなたが選んだものですか?

 

 

やじきたの結末は二通り

 

以前、ご紹介いたしました『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』
このお芝居、実はラストが二通り用意されています。


どちらの結末になるかはその日のお客さまの拍手次第。

物語も終盤、歌舞伎座で起きた連続殺人事件の容疑者は二人に絞られました。
そこで。

 

『どっちを取り調べまSHOW!』(セリフはうろ覚えなので雰囲気だけお楽しみください)

 

金ピカ衣装のやじさんきたさんが『日本一の司会者』のタスキを胸に、電飾ギラギラのセットに登場します。

 

「さあ、Aの人物を取り調べた方がいいと思うお客さま、拍手!」

 

パチパチ~

 

「ではBの容疑者を取り調べた方がいいと思う方、拍手!」

 

パチパチ~(若干多い?)

 

「おや、珍しいね、いつもはAの方が多いんだけどね」

 

「アタシらはどっちでもいいんだけど、Bの方だとスタッフさんが大変なんだよ、次のシーンの準備の時間が短いから」

 

「Bに決まった瞬間、ダダダダダダダダーって走ってくからねぇ」

 

「では、もう一度、Aの人!」

 

パチパチパチパチ!

 

「続いてBの人!!」

 

パチパチパチパチ!

 

「Bだね?Bでいいね?」

 

パチパチパチパチ!

 

「ではBの容疑者を取り調べまSHOW!」

 

…てな感じで、決まります。

 

 

後の方が選ばれやすい?

 

私が観たのはシネマ歌舞伎でしたから、結末は決まっちゃってるんですが、実際の舞台ではAもBも上演されていたとのこと。

 

でも、ホント?

ホントにホント、拍手の大きさで決めてたの?
本当は最初から決まってたんじゃないの?
正直、拍手の大きさって司会者のさじ加減でどうにでもなっちゃうものだから。

映画を観ながらそんな感想が頭をよぎったのです。
たぶん、

 

あの市川猿之助だよ!?ガチで当日決めてるに決まってんじゃんっ

 

という無言の信頼があって成り立つ演出だとは思うので、デキレースはなしでやってたと思う。
だけど、ビミョーに誘導してるような発言はあったし、そもそも人間というものは後に提示されたものを選びやすいのだ。
これを『親密効果』というのだそうです。


特に今回みたいに『両者を競わせる』(どちらの拍手が多いか)のような場面では、後攻のBは先に出てきたAに被せた方が話の流れとしても盛り上がる。
だからもし、『今日の演目』があらかじめ決まっているなら、選ばせたい方を後に紹介すればよい。
Aを選ばせたいなら、Bから紹介すればいいんじゃないだろうか?
こういうささやかで地道な誘導は、もしかしたら、あったのかもしれない。

 

 

断られにくい誘い方

 

映画を観ながら、ふとこんなことを思い出しました。
せっかくデートにお誘いしてもなかなか「YES」と言ってもらえない、そんなあなたに『断られにくい誘い方』というものがあります。
恋愛のマニュアル本や交渉術で使い古されたテグチではあるのですが…

 

 

誘惑は二者択一で

 

ちょっといい感じになったお相手に

 

「お食事に行きませんか?」

 

「いえ、けっこうです」

 

NOと言われてしまったらオシマイです。
ですから、

 

「もし食事に行くとしたら、イタリアンにする?中華にする?」

 

「うーん、イタリアンかなぁ」

 

「じゃ、予約しとくね。いつにしよう?」

 

という感じで二者択一ではじめると「YES」がもらいやすい。
もし、ここで断られても

 

「前にイタリアンが好きって言ってたよね?」

 

と日を改めてチャレンジするきっかけになったりします。

 

ポイントは『断られるかも』という不安を自ら感じないこと。
「もし行くなら…」と仮定の話を装ってはいますが、これは完全に『行く前提』
本当は『断られること』を想定していない『根拠のない自信』からくるただのゴリ押しです。
だから、ウッカリ不安を覗かせることでアッサリ断られます。
そして断られたらすぐ引き下がること。
ここでグズグズとねばると、しつこい、粘着質、勘違い野郎の烙印を押されます。

 

再チャレンジはしてもいい。

だけど機の流れが変わるまでサッと引いて待ちましょう。

 

 

『ドア・イン・ザ・フェイス』と『フット・イン・ザ・ドア』

 

他にもこんな方法があります。
デートに誘いたいお相手に、あなたはどんな風に声をかけますか?

 

「お茶しませんか?」

 

では、ちと弱い。

 

「今から遊園地に行かない?」

 

「今から?それはちょっと…」

 

「じゃ、そこのカフェでお茶しない?それならいいでしょ」

 

てな感じ。

『ドア・イン・ザ・フェイス』
価格交渉なんかでよく使われるテクニックです。
先に断られる前提でちょっと無理目なお誘いをして、そのあと軽いお願いをする。
元々、軽いお願いの方が本命なのだけど、先のお願いが大きすぎると、後のお願いが小さく見えてハードルが下がります。
更に、先にお断りをしている罪悪感を刺激するので、よりOKをもらいやすくなるのです。

ただし、この方法は一度は断られるわけで、一度たりとも断られたら立ち直れないというミニマムハートの持ち主さんには不向きかもしれません。

 

逆に小さなお願いをOKしてもらったら次の大きなお願いもきいてもらいやすくなる。
これを『フット・イン・ザ・ドア』といいます。
例えば、

 

「地域に保育園を増やす署名を集めています。お願いできませんか?」

 

「署名くらいいいですよ」

 

「ありがとうございます。
保育園ができましたら、ご支援に感謝しましてお名前を記念碑に刻ませていただきます。
もしよろしければ、一口500円から寄付金を募っておりますが…」

 

詐欺感満載な例になってしまいましたが、こんな感じ。
ひとつお願いをきいてしまうと次から断りにくくなってしまうこと、よくありますよね。
ひとつお願いをきいてしまうことで

『自分にとってこの人は大事な人なのだ(だってこの私がわざわざお願いをきいてあげたんだもん)』

という気持ちになるのだそうです。
YESを言わせることで好意まで獲得してしまう一石二鳥のテクニックです。

 

さて、この二つのテクニックは

 

NO→YES
YES→YES

 

という過程の違いはあります。
本来は同格のものを比較検討のうえ選択というのが正しい二者択一なはずですが、選ばせたい選択肢の(良くも悪くも)引き立て役になる選択肢を用意している点で同様のテクニックといってよさそうです。

 

 

偽りのジレンマ

 

さて、こういったテクニックは『いつもイマイチうまくいかない』というあなた様には是非お試しいただきたいのだけれど、逆に悪用する輩もいるのです。

 

ネットで知り合った殿方さま。
初デートで飲みに行って、ついうっかり終電を逃してしまって困った…
そんな時に、

 

「どうする?今からホテルをさがす?
それとも、ウチに来る?」

 

これね、ナンパ師さんからしたらパーフェクトクェスチョンなんじゃないでしょうか?

 

終電も逃したような時間に、今から夜の街を宿を探してウロウロするのはしんどい。
そして『ホテル』ということばの響きから生々しく連想されてしまうものに抵抗があってしんどい。
それに引き換えおうちなら、サッと帰れるし始発まで少しお邪魔するだけだから、とハードルが下がる。
しかも自宅なら無料。
選ばせたい方を後から提案しているのだ。

 

だけどちょっと待って。

 

本当に本当に本っっ当に、その選択肢しかないの?

 

どれほど手痛い出費でも、タクシーで帰ることだってできる。
マン喫、ネカフェ、ファミレス、コンビニだってイートインスペースがありますよね。
緊急事態ですもの、始発を待たせていただくのに申し訳なく思う必要なんてないのです。

 

なのに『選択肢はお泊まりするしかない』
これはテクニックの悪用でしかありません。

 

こういった極端に片寄った、もしくは理不尽な選択を『偽りのジレンマ』といいます。

カルトや詐欺師がよく使う手口といえば分かりやすいでしょう。

 

「この壺を買わなければ不幸になる」

 

壺なんて買わなくても不幸にはなりません。

私は二者択一を迫られたとき、それ以外の選択肢はないか、一瞬でも考えるように心がけています。

 

 

二者択一を多様する相手にはご注意を

 

二者択一のメリットは

 

  • 選択肢が少ないので決断が早い
  • ひとつの選択肢に自分の希望を混ぜ込むことができる

 

です。

 

婚活や恋愛がうまくいかない理由に、実は『決まっていかない』ことがあげられます。


デートの日取りが決まらない、行く場所が決まらない、付き合うかどうか決まらない。


グズグズと先送りにしているうちに、忘れてしまったり面倒になったり疎遠になっていくのです。
時間をかけることはマイナス以外の何者でもありません。

 

そして、自分の意見を提示することはリーダーシップを示すことにもなります。
『自分で決めたい』と言っていても『引っ張っていってほしい』気持ちがないわけではありません。
いつもいつも「どこに行きたい?何したい?」とお相手に意見を聞くばかりではお相手も疲れてしまいます。


だから関係を詰めていく間は二者択一をどんどん利用するべきです。


ただし、関係が安定したら必ず

 

「あなたはどうしたい?」

 

と、お相手の意見を尊重する姿勢を見せましょう。
お相手の意見がなければまた二者択一に戻ればいい。


逆に、常に二者択一を迫ってくるようなら、その人はあなたを支配したいだけなのかもしれない

 

もしも大きな『選択』することになったら。

 

その『選択』は本当にあなたの意思で選んだものなのか、少し立ち止まってみてはいかがでしょうか…?