バリキャリ乙女のイド端会議室

主に婚活、時々しごと。華麗なるバリキャリの脳内会議の一部始終。

私と仕事、どっちが大事なの?

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリイシイドです。

 

々々々々々々々々々々々…!

 

イシイドは自分のデスクで声にならない唸り声をあげていた。

 

イシイドは『店舗』という形態の職場に勤めています。
『定休日』は週に1度。

それ以外は個人休日を設定して交代で休日を取ることになります。


労働基準法では労働者の休日に対してこのような基準を定めいます。

- 使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。

- 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。

- 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

                      ―厚生労働省ホームページより

 

つまり、年間休日は52日以上。
うん、守られてる。守られてるよ。
この一年、残業も休日出勤もちゃんと手当てがつくようになりました。
明らかな労働環境の改善。

なのになぜデスクで呻いているのか。

 

うん、要するに休日出勤をしているということなのだ。

 

 

デスクでの葛藤

 

イシイドは、休日出勤って嫌じゃないんですよ。
だって今日仕事したら、その翌日は楽になるわけでしょ。
明日の自分に投資してるようなもので、手当もついて一石二鳥。
あざーーっすってな感じなんですが、この日は違いました。


だって、若さまとのおデートの予定だったのです。


しかも1か月ぶりですよ!
AM11:00に待ち合わせしていちご狩りに行く計画だったのよ。

 

それがっっ

 

若さまに(実際はスマホに向かって)ペコペコと頭を下げながら待ち合わせを13:00に変更してもらったのです。


そして現在11:30。

 

あかん

完全にダメなパターンやん。

 

元々「午前中なら出られます」と申告しての出社なので、12:00チン「ハイ、お疲れー」でもノープロブレムなはずだけど、そこはやっぱり大人ですし。
それに、このご時世。
休みはとってくれと言われているにも関わらず「出れる?」と聞いてくるのはやってほしいからでしょう。

 

若さまにLINEを送った。

 

『もう出ちゃった?』

 

『うん、◯◯辺り。』

 

『ごめんね、もうちょっとかかりそうです』

 

『ぷらぷらしてるからいいよー』

 

すまん
若さまはたぶん、イシイドが13:00ごろ切り上げて14:30頃には会えるだろうと思っているに違いない。
だがイシイドの長年のカンは『こりゃ、19:00過ぎに連絡が入るパターン』と告げている。

 

昨日の段階で、勇気を持ってキャンセルするか、夕食だけ食べるコースに変更するべきだったのだ。

 

『私と仕事、どっちが大事なの!?』

 

なんてことは言わないだろうが、楽しい状況であるわけがない。
過去には似たニュアンスのことを言われたこと多数。

 

「結局キミは仕事が大事なんだね」

 

物事には優先順位ってある。
生死に関わることでもあれば話は別だけど、

 

「いつだってあなたが最ー優ー先!」

 

なんてあり得ない。

愛情と責任は別のものだ。
並べて秤にかけてはいけないものだ。
責任をないがしろにし続ければ、いずれ信頼を失うことになる。
そして信頼のない者が声高に愛を叫んだところで、端から見れば滑稽でそしてその愛も薄っぺらく見えるのだ。

 

だけども。
これまでを振り返れば若さまとのデートがキャンセルになったり、短縮バージョンになったりしたのは9割イシイドのせいだ。
そしてその理由の9割は『仕事』だ。
前回はイシイドの風邪でキャンセルになった。
ここはやはり会っておいた方がいい。
会っておかねば。

 

おかねば……

 

 

え?

 

えっ?               えっ?

 

あたし、会いたいから会うんじゃないのか?

 

 

愛はこの胸にある

 

学生の頃。
会いたくて会いたくてぷるぷるしていたあの頃。
雨だろうが夜中だろうが駆け出して行きたいあの衝動はどこに行ってしまったのだろう。
会えるなら何時間でも待ち続けたあの情熱はもう戻ってこないのだろうか。

 

思えばあの頃は寒くて凍えるようだった。
あの人からの『好き』や電話やメールをもらうと暖まる。
だけどその熱は口に含むと綿菓子のようにじゅわっと溶けてしまう。
だから何度も何度も欲しくなる。
もらったそばからもらわないと凍えてしまうので、次から次へと欲しがってキリがないのだ。

 

大人になった今は。
誰かからあの熱をもらわなくても、自分の心は暖かいと知っている。
時に凍えることがあったって、自分の内側から湧き出すようにぬくもることができるのだ。

 

あの頃のように絶えずくれくれとせがまなくても。

 

今、会わなければと思うのは『まだ好かれているかの確認したい』からでもなく『これからも好かれていく』ためでもない。
『私の好きを伝えるため』だ。

今度は私が与える番なのだ。

 

 

ベタなデートスポット

 

結局、待ち合わせ場所には16:00前に着いた。


一ヶ所でただじっと待ち続けたわけではないだろうが、当初の予定からすれば5時間も待たせたわけだ。

 

朝食と昼食の兼用をブランチというが、昼食と夕食の兼用はなんと呼ぶのだろう。
若さまは遅い昼食、早い夕食を取りながら、私の近況報告という名の愚痴をゆっくりと聞いた。
それから、さすがにいちご狩りは諦めて地元のベタなデートスポットへ繰り出した。

 

「あの時間から会わなければ、(ベタすぎて)ここに来ることはなかったよねぇ。来れて良かったよね」

 

と言ってくれた。
今まで口先だけの「気にしなくていいよ」に散々騙されてきた私は、少し戸惑ったけど

 

「連れてきてくれてありがとう」

 

今日いちばんの穏やかな気持ちになるのだった。

 


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