バリキャリ乙女のイド端会議室

主に婚活、時々しごと。華麗なるバリキャリの脳内会議の一部始終。

通信障害とその真相

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。

携帯電話、スマートフォン
私たちの毎日に当たり前にあるもの。
今、この画面を見ているあなたの手にも握られている。
あ、マウスの人もいるのかな。


曇り空とバック

今年はあたたかい。
そう言われて寒くなるのを忘れた12月は、突然その使命を思い出したようだ。
布団のぬくもりに何度もうしろ髪を引かれながらも、クローゼットに仕舞い込まれたコートを引っ張り出し、重い玄関の扉を押した。

ああ、今日も忙しくなるな。

どんよりと垂れ込めた空を見上げると憂鬱な気分になる。
だが、一点だけぽかりと青空が覗く今日の空のように私の心を明るくする要素がひとつあった。
先日注文した新しいバックが届いたのだ。

インターネットで一目惚れした愛用のミニボストンがどんどんみすぼらしくなっていくのに耐えかねて、同じメーカーの一回り大きいバックを取り寄せた。
本当は同じものがほしかったのだけど、ミニボストンは限定品でもう手に入らない。
Yahoo!ニュースで広告が表示されるうちに買っておけば良かったと後悔したが仕方がない。

本音を言えばほんの少し妥協した。

それでも新しいバックや靴、化粧品。
そういうものに乙女の心は踊るのだ。

今日も忙しい。

そのバックに放り込まれたスマートフォンの異変に、この時はまだ、気づいておなかった。

壊れた携帯電話

インベーダーゲームのように際限なく現れる雑務をやっつけ、逃げるように事務所を飛び出した。

時刻は正午を過ぎたところだ。

とりあえず腹ごしらえ。
コンビニに車を停め、買ったおにぎりにかぶりつく。
気分の鬱ぐニュースをヘッドラインだけ斜め読みしながらスクロールさせていく。
あのニュースは進展のないまま続報だけが重ねられていた。

ふっとため息をついてTwitterに切り替える。
こういうときは仲間たちのつぶやきを見る方が精神的にはずっといい。

ところが。
TwitterYahoo! JAPANChromeはてな
どれもこれも繋がらない。

これは通信障害かな。

会社から支給されているスマートフォンを取り出し、

『 ドコモ 通信障害 』

と検索するが、それらしい情報はなかった。

電気で動くものは電源をつけたり消したりすると直ると相場が決まっている。
再起動を繰り返すうちに

SIMカードが読み込めません』

ありゃ。
こりゃもう、お手上げだ。


電波ジャック

その足で手近なドコモショップに駆け込んだ。
SIMカードではなく本体の故障のようだった。
正しい説明かどうかはわからないが、SIMカードというものは携帯電話の『魂』みたいなものだと思う。
その人の本質がぎゅっと詰まっていて、本体とつながることでようやく一人の人間として成り立つのだ。
『魂』と『本体』が正しくつながっていなければ、できることが限りなく制限される。
今の私のようなものかもしれない。

修理保証はつけていたので無償で修理ができる。
前回は追加料金をお支払して新品と交換したけれど、修理後は初期化されるそうで、バックアップも取れない今となっては新品にしてもらうメリットはない。
それでもできる限りのバックアップを取って代替機を用意してもらうことになった。

待つ間。
現代人は最高のヒマ潰しであるスマートフォンを奪われてしまうとなすすべもない。
今日は文庫本も持っていなかったので自然と会社支給のスマートフォンに手がのびた。
先ほどのドコモの通信障害を調べたページのままになっていて、ホームに戻ろうとアイコンに触れると、

ページにアクセスできません

おっ

こっちもかーっ!

こんなことってある!?
いや、あるわけない。
私の脳ミソが高速回転してひとつの仮説にたどり着いた。

「お待たせいたしました」

担当の店員さんが代替機を準備ができたと現れた。
一通り、代替機の説明を聞いたあと、思いきってその道のプロにあの仮説をぶつけてみた。

「あのー、スマホって磁石を近づけたら壊れますか?」

「…良くはないと思いますが壊れることはないと思います」

「私、今日、バックを新しくしたんです」

「はぁ」

「留め金が磁石なんです、しかも二つも!」

「バックのマグネットで壊れることは考えにくいですが…」

店員さんは困ったようにその美しい頬を歪めた。

「でも、変えたのはバックだけなんです。
私、もうひとつ携帯を持ってるんですが、こっちも壊れたみたいなんです」

「まぁ!」

「バックを変えたらスマホが壊れた、しかも二つも!」

「…そういうこともあるかもしれません…」


よし、ウラは取った…!

会社携帯は完全に事切れているわけでなく、途切れ途切れ苦しげに電波が入る。
その合間を縫うように本社からのメールが届いた。

『本日、本社周辺の電波状況が悪く、本社への連絡は固定電話を使用のこと』


…これは偶然?

仮説

私は一介の営業マンに過ぎない。
だけど、その携帯電話が壊れ(二つも!)、本社の携帯電話までおかしくなっている。
これは何かただならぬことが起きているのではないか。
仲間の携帯に電話をしてみたが、かかる前に切れてしまう。

もし、本社の通信障害に私のスマホが関わっているとしたら?
誰かが私のスマホを乗っ取り本社にサイバー攻撃を仕掛けているのだとしたら?

原因はあのバックなのだ。

あのバックに何か仕掛けられていたに違いない。
元々神戸のブランドのバックだ。
名古屋の企業に攻撃を仕掛けるようなメリットが感じられない。
あのバックの入手経路におかしなところはなかったか?

メーカーのホームページでは気に入った色がなかったので、バックのセレクトショップの在庫を購入した。
セレクトショップか!?
いや、セレクトショップにだってサイバー攻撃を仕掛ける理由はない。

なぜ?

なぜなの…?



結論を言うと、Softbankの大々的な通信障害と、単純にドコモのスマートフォンの故障が同時発生しただけであった。

こんなことってある!?

あるんです!!(慈英風)

代替機にはてなアプリ及びはてブアプリをダウンロードしなかったため、皆様との交流がめっきり減ってしまったことを、この場を借りてお詫びしたい。

代替機生活は本当に不便で、これしきの文章を書くのに一週間もかかってしまった。
慣れ親しんだ環境って大事だね。

無事、修理終わりました。