バリキャリ乙女のイド端会議室

主に婚活、時々しごと。華麗なるバリキャリの脳内会議の一部始終。

「やっぱムリだわ」

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。
 
少し前に『LGBTは生産性がない』と発言して物議を醸しまくった議員さんがいましたね。
たぶん、『生産性』という言葉って人に対して使う言葉じゃないよね、というのがみんなの意見じゃないのかなと思います。
私もそう思います。
そして、子どもって『誕生』するものであって『生産』するものじゃない。
だから謝罪があるならLGBTの方だけじゃなく、これから生まれてくる子ども達にもしてほしい、そう思ったものでした。
 
さて、今日は人に対して使わないでほしい言葉を使ってしまったお話です。
 
 
 

『それはムリだわwww』

 
遡ること1年ほど前。
イシイドは婚活のピークの最中におりました。
 
 
婚活のピーク
 
婚活のピークなんて言っちゃうと
 
「ああ、さぞかしおモテになったんですね、自慢かよ!」
 
と思われるかもしれません。
そうではなくて。
 
以前にも似たようなことを言ったことがありましたが婚活には段階があります。
 
この時は4つでしたが
 
  1. 出会う
  2. 知る
  3. 育む
 
が基本の段階です。
 
婚活を始めると最初はものすごくいろんな方からお声がかかります。
(かからんよー、という方はまずプロフィールを見直しましょうね)
そこですごくモテてしまってるような気持ちになって『自分は婚活の強者である』と勘違いしたまま考えを改めないと失敗します。
なぜなら、あなた自身がモテているのではないからです。
あなたに付いた『New!』とか『新着』とかそんなものに反応しているのであって、あなたの中身が称賛されているわけではないのです。
 
完全に話が逸れちゃってるので、余談ついでに言っときます。
出会う段階は底引き網でいいのです。
『生理的に駄目』『絶対に譲れない条件がNG』でなければOKし、誠心誠意仲良く(人として)する努力をして、それで駄目なら諦める。
その繰り返しなのです。
顔だの金だの年齢だの+αだの、そんな条件で一本釣りを狙ったところで釣れるわけがない。
仮に釣れたところで料理できますか?ってハナシ。
 
出会う段階では底引き網、謙虚(自己卑下でなく)が基本のスタンスです。
 
そんなわけで、婚活のピークです。
婚活のピークはお相手を知って、どのご縁を育むかの判断をするところ。
ここを間違えると振り出しに戻る訳です。
 
当時はお相手の気持ちを計りつつ、出るべきか引くべきかと毎日悶々としていたのです。
 
 

ピークで失恋

 
お相手様からの好意は感じるものの、積極的でないというか、まぁ、他にもいらっしゃるんだろうなという予感はありました。
 
その方はあるスポーツをしてらっしゃって、たまたまある日曜日にその大会に出場するということを聞いたのです。
 
日曜日…
 
土日祝日が書き入れ時のイシイドは応援になんて行けません。
だけどせめて、始業前に差し入れぐらい、「がんばってね」と声くらいかけても嫌な思いはしないでしょう?
思いきって
 
『試合前に応援に行ってもいいかな?』
 
LINEしました。
そしてその返事は。
 
 
『それはムリだわwww』
 
 
目の前が真っ暗になった。
 
オマエトハ、ムリ
 
そう言われたような気持ちになりました。
すぐ後に『試合前は集中したいから一人にさせて?』とフォローはしてくれましたが、私自身を否定されたようで身動きできませんでした。
 
往生際悪く、当日『がんばってね』とメッセージを送りましたが既読にはならず。
3日経って
 
『別の方と結婚を前提にお付き合いすることになりました。
今までありがとうございました。』
 
画面に表示された文字が眩しくて直視できなかったのを今でも覚えています。
 
 

『それはムリだよ』

 
イシイドには元カレがいます。
6、7年くらい前にお別れして、でも仕事が近いこともあり、おともだちとして付き合いがある人です。
私はここ数年、必死で婚活しましたがあちらはのらりくらりと独身生活を楽しんでいるようでした。
 
ある時、二人だけになる機会あって飲みに行こうよと誘われました。
 
「それはムリだよ」
 
咄嗟にでた言葉に自分でもビックリしました。
決して嫌いになって別れた訳じゃなく、自分としては大事な弟分と思っている人だった。
あれだけ自分が傷ついた『ムリ』という言葉がするりとでてきたことが信じられなかったのです。
 
もしも、あのスポーツ大会の彼にフラれた後や婚活を始める前ならイエスと言ったかもしれない。
でも今は。
あなたのことをムリだと言ったのではなく、状況がムリなのであって、えーとえーと…
言い訳がグルグルと頭の中を廻る。
 
そして我に返る。
 
あのときの彼もそうだったのかもしれない。
 
きっと、あのスポーツ大会には『彼女』も来ていたのだろう。
そして結果は知らないけれどその時に告白するつもりだったのだろう。
そしてしたのだろう。
 
そんなタイミングで他の候補の女が現れたらややこしくて仕方がない。
 
『それはムリだわwww』
 
そりゃそうだ。
 
 

物事の背景

 
こうして、人に対して使ってはいけない、使わない方がいい言葉ってたくさんある。
もともと口が悪くて不用意にそういう言葉を撒き散らす人もいるけれど。
その人がいくら常識的で気を配っていたとしてもポロリとこぼしてしまうことだって。
 
ただ、そこにはその言葉を使ってしまう背景や考えがあるのだ。
もしも誰かの言葉で傷つくことがあったら、あなたが否定されたのではなく、状況が否定せざるをえなかったのかもしれない。
 
さて、最初の議員さんの話に戻ります。
あの方も国会議員という立場上、人口や出生率という国の数値に目をやらなければいけない人なのでしょう。
そこに目を向けたことは職務として正しい。
でもその数値ひとつひとつにも心があり事情があるということを、ひとりの人間として忘れないでいてもらいたい。
ご自身も『生産性』のある人材の一人と自負しているのなら尚更。
このケースは残念ですが、ああ言わざるをえなかった事情とは言えないようです。


この季節になると思い出す。
他人を傷つけずに生きていくということは、実に難しいことなのだと。

人を傷つけずに生きていくなんて、やっぱムリだわ。