バリキャリ乙女のイド端会議室

主に婚活、時々しごと。華麗なるバリキャリの脳内会議の一部始終。

自らの毒に酔う。

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女バリキャリ乙女のイシイドマキです(´・ω・`)
お仕事の追込みでストレスリミッターが振り切れました。
はい、お酒の失敗です。
お食事中の方は回れ右でお願いしますね。

 

先日、職場でちょっとした失敗がありました。
いや、私がしたんじゃないですよっ。
基本の業務ではなくて、ただの雑用に分類されるようなことでしたが、気がついちゃったもんは仕方ない。
しかし、三日も気付かなかったなんて何てことだ!
イシイドは後片付けをしながら一人フツフツとしておりました。
とは言っても本当に些細なことで、他の人がやらかしたことなら「も~しょうがないな」で済んでただろうし、自分がやらかしてたらネタにして笑った。
むしろオイシイかも。
くらいのことだった。

ただ、本当にタイミングが悪かった。
少し風邪気味だったのと、イライラと疲労と空腹が三つ巴で睨み合っていたので、思考が攻撃的になるのを押さえられなかったのです。


あかん。
今日は飲まずにいられない。
帰り道にコンビニに寄って、ツマミとワインのハーフボトル、ハイボール用の炭酸水を2本買った。
炭酸水はウィルキンソンが好きだ。
夏のあの日、暑くてたまらなかったあの日。
運転席でキャップを外した瞬間、天井まで吹き上がり、スーツをビッタビタにしてくれたウィルキン・ソン。
あなたに砂糖が入ってなくて本当に良かった。
愛してるわ、ウィルキン。
てゆーか誰だよ、振りくったヤツ。

 

本当はお酒よりも野菜が食べたかったのに、今日に限って品切れなのだ。
仕方がないのでツマミには『燻製うずらの卵』と『さけるチーズ(スモーク)』にした。
これなら泣きながら飲んでいても、煙が目に染みたと思ってくれるか、皆の衆。


あ、そう言えば、今日の晩ごはんはカレーだった。
お昼にカレーは食べないでって言われてたんだっけ。
母、グッジョブ!
イシイドの疲れた心と体にはスパイスが必要なの。
逸る気持ちを押さえつつ、家路へとハンドルを切った。

 

愛車を車庫に入れるのももどかしく、斜めに停めたままで玄関の扉を開く。

 

あれ?あの芳しい香りがしない。

 

リビングに着くなり母に尋ねた。

「カレーは?」

「なんか、お刺身食べたくなっちゃって。」
「今日はお刺身~」

妹が来ていた。

 

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お刺身、でもいいけど…
でももう、お口がカレーのお口になっちゃってるんだもん…嗚呼カレーライス…

 

「でね、今日はシャンパンもあるよ!」

 

でかした妹よ!

 

正確にはシャンパンと同じ製法のスパークリングワインなんだそうだが、美味しければなんでも良いのだ。
今日はシャンパーニュ
何、この奈落の底から天上へのダウンアップ。
奇跡のHigh & Low。

 

妹が用意したワインはとてつもなく美味しかった。
空腹に流し込み、普段は家では言わない先ほどの『失敗』に始まり、諸々の愚痴を二人に語って聞かせた。
ダムに開いた小さな穴がすぐにダムそのものを崩壊させるように、イシイドの口も止まらなくなった。

 

イシイドは家では仕事の話はほとんどいたしません。
昔、毎夜愚痴ったら、家の中が暗くなるからやめてくれと言われてからはしなくなった。
バリキャリが実家に寄生しようと思うと、それなりの礼儀と作法があるのだ。
致し方ない。

 

そして酒豪の母と妹がなぜかボトルの半分は残していたスパークリングを一人で空けた。
刺身も食べたが、なぜかサーモンやブリは残した。
予兆はあったのかもしれない。

 

その夜、イシイドは一人で吐いた。
深夜だったので、誰にも気付かれずに。
静かに吐いた。

 

朝になり、6時くらいには目が覚めていたけれどゴロゴロして8時前くらいに起き上がった。
二日酔いを覚悟していたけれどなんともなかった。
頭は痛くない。
体は軽い。
でもちょっとだけ胃が重い。


家飲みの翌日はむくみ対策でグレープフルーツジュースを飲むのだけど、飲みきれなくて少し残した。
気持ちは悪くなかったけれど、たまたま胃薬が目に入ったので飲んでみた。

 

そしてまた吐いた。

 

胃薬は溶けきる前のようだった。
困った。
今日は人と会う約束があるのだ。
しかもマズイことにその時の大本命だった。
ランチとはいえ、フレンチはキツイぞ。
でも行かない訳にはいかないのだ。
仕方がないのでとりあえずシャワーを浴びる。
体が暖まると少し楽になったような気がした。

 

何だろう?
刺身に当たった訳でもなさそうだ。
同じものを食べた家族はピンピンしている。
たぶん二日酔い、飲み過ぎただけなのだろうが、いつもと違う。
体はなんともないのに、痛くもなく気持ち悪くもなく、胃を中心に内臓だけがその存在を主張する。
新種の二日酔いか?
違う。
たぶんアレだ。
これは『毒』だ。『毒』に違いない。
『ヤツ』が盛ったのか?
いや、それはない。
『ヤツ』はただ、あの小さな『失敗』で引き金を引いたに過ぎない。
では、この『毒』はどこからやって来たのか。

 

それは私の内側に他ならない。

 

あなたはフグがなぜ自分の毒で死なないかをご存じだろうか?
フグは自ら毒を作り出すことはできないのだそうだ。
毒に変化する成分を含むプランクトンを好んでエサにするので、それが徐々に蓄積されて毒を持つのだという。

 

だが我々人間は自ら毒を作り出す。
私とフグの違いは何だろう。
それは『思考』するかしないかだ。
私たちは小さな不安や不満を、ぎゅうぎゅうと押し潰して抽出して、それはそれは濃い『毒』を作る。
その『毒』を上手に吐き出せる者はよいが、うっかり吐き出してまた飲み込んでしまうこともある。
そしてそれは酒とともに全身を駆け巡り内臓を仕留めるのだ。

 

『結果を出す』ことと『結論を出す』ことは似ているようで、違う。
イシイドは社会人になって、営業という仕事に就いて、常に『結果を出す』ことを求められてきた(結果が出たかどうかは別の話!)。
でもこの一年、婚活では常に『結論を出す』ことを求められてきたような気がする。
『結果』は動くことでついてくるが、『結論』は『思考』しなければ結ばない、と思っていた。
だけど、わたしとフグにはもうひとつ違いがある。
それは感情だ。
もちろん、動物にだって喜怒哀楽はあるけれど、わたしたちはもっと複雑で説明できない感情だって持っているのだ。
『結論』は『思考』と『感情』の両輪が揃ってこそ、導き出せるもの。
『思考』だけで導こうとするとただならぬ『毒』を産み出すことになりかねない。

 

 

おしゃれをして、もう一度吐いて、家を出た。
『結論』は出るだろうか。

 

 

ちなみに引き金となった『失敗』とは、食器洗剤のボトルにハンドソープを詰め替えた『ヤツ』がいた。
ムキーッ(*`Д´)ノ!!!